スピン間有効交換相互作用の非経験的分子軌道計算に基づく新規高分子磁性体の設計
Project/Area Number |
63604566
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 兆 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (80029537)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ABINITIO / APUMP / 有効交換積分 / 高温超伝導 / ハバードモデル / 銅酸素錯体 |
Research Abstract |
本年度はスピン間有効交換積分(Jab)の非経験的計算において電子相関の寄与を正しく取り入れる方法論の検討を行った。従来より、我々のグループではスピン分極型のab initio MO計算によりJab値を評価していたが、今年度になってMφ11ler-plesset(MP)法により電子相関補正を評価することにした。この方法はスピン分極効果により必然的に混入してくる高スピン状態の寄与を径スピン状態において取り除くことも同時に行うので、APUMP法と名づけた。まずAPUMP法は-中心ラジカル系に適用し、Jab値を計算し、実測値および他の手法による計算値を比較検討した。その結果、APUMP法による計算値は実測値を5kcal/mul以内で再現し、他の計算値とも良好な一致を示したので、その結果をchem,phys,celtに投稿し受理された。次に、APUMP法を遷移金属錯体系におけるJab値のab initio計算に適用した所、実測値と良好な一致を示したので、その結果を投稿し、受理された。さらに、APUMP法を化学反応系にも適用した所、良好なポテンシャル曲線を得たので論文として発表した。 APUMP法の適用として最も重要な系は最近話題の高温超電導化合物である。そこで、まずこの物質の電子状態の解析にAPUMP法を応用し、酸化物系のJab値を計算した所、実測の傾向と一致したので、応用物理関係の学会誌に投稿し、受理された。さらに、APUMP法の計算結果と実測の結果より、銅酸化物と等電子的な有機化合物系を考究し、有機高温超伝導化合物のモデルとして同学会誌に発表した。また、ab initio計算の結果を再現する拡張ハバードモデルについても検討し、そこで必要となるパラメータを決定し、種々の物理量を計算した。その結果もAPUMP法による結果を良く再現しており、今後比較的大きい系への適用を考える上でも重要な成果を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)