Project/Area Number |
63604583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川口 春馬 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (30051808)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 転写制御タンパク質 / DNA / ラテックス粒子 / タンパク質分離 / 特異吸着 |
Research Abstract |
標記研究において、本年度は特に、特定の塩基配列を持ったDNA鎖のラテックス粒子への固定、さらにそれを用いた転写制御タンパク質の分離・精製について研究した。 ラテックス粒子は、ソープフリー乳化重合により調整した。種々のラテックス粒子のうち、適度の親水性をもちタンパク質の非特異吸着を受けにくい点、および、DNA固定のための原子団を有する点とから、ポリグリシジルメタクリレート粒子が適当であると判定した。 DNAは転写制御タンパク質E4TF1またはE4TF3に認識される塩基配列15b.p.程度からなるものを重合し約300b.p.にしたものを用いた。 DNAの固定はBrCN法で行ない、固定のための最適条件を検討した。見い出された最適の濃度、PH、温度では、粒子あたり約100本程度のDNA鎖を有するラテックス粒子が得られた。 こうして得られたDNA固定ラテックス粒子を用いて、HeLaの細胞の抽出液からE4TF1、E4TH3の分離・精製を行ったところ、コンペティターpoly(dI-dC)を共存させた系で、電気泳動バンド上にほぼ単一バンドとみなせるほどまでに精製できた。なお精製されたタンパク質が転写制御機能を保持していることも確認した。 本法は硬質粒子を用いたバッチ法によるアフィニティ分離であり、カラム法と比べ、格段に迅速に、簡便に、かつ効率よく、それぞれの転写制御タンパク質を精製することができた。 今後は、粒子への非特異吸着を防ぐための対策、DNaseによるラテックス粒子上のDNA鎖の切断の防止などについて研究を続ける。また、DNA鎖以外に、レクチンやオリゴ糖固定粒子の作製、その機能についての研究も行う。研究に協力頂いた東大医半田宏博士に感謝致します。
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