光励起によって生成されたラジカル分子種の凝縮相における固定と反応
Project/Area Number |
63606511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島田 良一 九州大学, 理学部, 教授 (60037158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 元彦 九州大学, 理学部, 助手 (00037201)
権藤 恭彦 九州大学, 理学部, 助教授 (00037194)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 塩化オキサリルの光解離 / 並進エネルギー分布 / メチルビオロゲンラジカルカチオン / ニトロメチルベンゼンラジカルアニオン / 三重項状態間相互作用 / ベンゾインの光解離 |
Research Abstract |
現在までに得られている主な結果と進行状況は次のとおりである。(i)塩化オキサリルの光照射によるClやCOCl等のフラグメンテーションを観測し、これらフラグメントの並進エネルギー分布を調べた。Clフラグメントの並進エネルギー分布は193nm及び248nm照射ともに、解離が分子の回転周期よりも速い時間内で起こったことを示すGauss型2個と、緩和の後に起こったことを示すBoltzmann型分布1個の三成分から成っていることがわかった。TOF信号強度の偏光角度依存性を測定することによって上の解釈が確証され、またこれらの照射光により分子がそれぞれBu(ππ^*)及びAu(ππ^*)2nd状態に励起されていることを確認した。(ii)β-シクロデキストリンに包接されることによって、メチルビオローゲン(MV)ラジカルカチオンは極めて線幅の狭いESRスペクトルを与えることを見いだした。線幅についてのその温度依存性を調べることによって、包接系におけるニトロメチルベンゼンラジカルカアニオンやメチルビオロゲン(MV)ラジカルカチオンの回転運動並びに包接-非包接平衡における動的側面についてのいくつかの興味ある情報を得た。また、包接ラジカルカチオンのICDスペクトルを測定し、電子遷移の偏光特性を溶液試料について決定し、電子状態の帰属を行った。(iii)近接した^3nπ^*と^3ππ^*をもつ芳香族カルボニルの分子間力と三重項間スピン一軌道相互作用の機構の重要性を定量的解析から指摘して、ベンズアルデヒドと9-キサントンについて示した。ベンゾインのα-分子開裂に伴うα-ヒドロキシベンジルラジカルとベンゾイルラジカルをCIDEP分光法によって直接的に捉らえることに初めて成功したのであるが、その反応機構を考えるに際してこの知識を用いた。2種類のラジカルに対するCIDEPパターンはかなり対称的な発光型を示しており、間違いなく反応はTriplet Mechanism(TM過程)である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)