Project/Area Number |
63607501
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大澤 映二 北海道大学, 理学部, 助教授 (40001763)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 非経験的分子軌道法計算 / ベンゼンの骨格変形 / ヘテロ原子用分子力学パラメータ / ニトロ基のパラメータ |
Research Abstract |
昨年度にCH結合の活性化に関する実験的研究を支援する計算化学的ツールとしてのab initio 力場の構築に着手し、基礎プログラムの一つであるパラメータ最適化プログラムAMPOP2を作成した。今年度は引き続いて実験値に代る計算値標準データの作成作業に入った。炭化水素、ついで簡単なヘテロ原子を含む誘導体について大量の高精度ab initio 計算を遂行し、現在も続行中である。結果のとりまとめには尚多少の時間を要するが、副産物として計算の済んだ二、三の官能基群を利用して既存の分子力学力場に対するヘテロ原子パラメータの決定を行った。まずヤコビアン行列による最小二乗パラメータ最適化の簡単なプログラムを作成した。ヤコビアン行列の計算はAMPOP2では解析的表現を利用することにより行ったが、ここでは数値計算法によって行列要素を求めた。このようにすると如何なる関数系から成る分子力学力場等に対しても適用できるという利点があるが、同時に計算時間が長くかかるという欠点を生じる。 ついでこの最適化プログラムを利用して、脂肪族残基に付いたニトロ基およびベンゼン上の各種置換基のMMで力場用パラメータを決定した後者のベンゼン置換基としてはフオルミル、カルボキシル、メトキシ、アセチル、アミノ、ニトロ、ハロゲンをとり上げた。 またベンゼンの変形に伴うエネルギー変化、MMで力場を用いて計算する為のパラメータを同様な手法を用いて作成した。これはきわめて興味深い結果を与えた。すなわちベンゼン骨格上の大変形を分子力学力場によって正しく記述することができた。 最後CH結合の性質と密接な関わりのあるH-C-C-H系におけるビシナル水素間NMR結合定数に関するKarplus式の改良を行って、従来の改良式に比べて格段に高い性能をもつ改良式を得ることに成功した。
|