Project/Area Number |
63607511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小宮 三四郎 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00111667)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 遷移金属錯体 / 酸化的付加反応 / ルテニウム / 炭素-水素結合 / 不飽和酸エステル |
Research Abstract |
(エチレン)トリエ(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(0)、1とクロトン酸エステルとの反応からヒドリド(1-メトキシカルボニル-Y^3-アリル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、2を単離した。この反応ではエチレンの解離を伴い、クロトン酸エステルのSP^3性の炭素-水素結合がルテニウムに酸化的付加したものと考えられる。この錯体2は1と3-ブテン酸メチルとの反応によっても合成される。一方、錯体1とメタクリル酸エステルとの反応ではオレフィン性の炭素-酸素結合の酸化的付加したヒドリドアルケニルルテニウム(II)錯体が生成する。これらの結果はオレフィン性炭素-水素結合よりもSP^3性のアリル炭素-水素結合の酸化的付加が起きやすいことを示している。また、1と置換基をもたないアクリル酸エステルとの反応では、炭素-水素結合の活性化は全く起きず、オレフィン交換反応のみが起きた。さらに、β-位の置換基をエチルまたはプロピル基とした2-ペンテン酸メチルや2-ヘキセン酸メチルと1との反応では、ジエンルテニウム型の錯体が生成した。このことは中間体として生成するヒドリド-Y^3-アリル型錯体からのβ-水素脱離が優先されたことを示唆する。この際、反応系中からはエタンのみが検出されることから、脱離したヒドリドはすべてエチレンの水素化に使用されたものと考えられる。錯体2と一酸化炭素やアクリル酸メチルとの反応では、容易にクロトン酸メチルを還元的脱離した。しかし、二置換オレフィンであるメタクリル酸エチルとの反応ではゆっくりとクロトン酸メチルの脱離を伴いヒドリドビニル型の錯体を与え、三置換オレフィンであるチグリン酸メチルとの反応は起きなかった。このようにルテニウム(0)錯体への不飽和酸エステルの炭素-水素結合の酸化的付加反応は微妙に変化するが、これらの反応を利用した新しい素反応をさらに開拓する予定である。
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