シロキシピリリウム塩とソフトな求核試剤による新規な増炭反応
Project/Area Number |
63607522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
秋葉 欣哉 広島大学, 理学部, 教授 (20011538)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | シロキシピリリウム塩 / 有機銅試薬 / 4H-ピラン / 位置選択性 / 環状ケテンシリルアセタール / 臭素化 / 1,2-転位反応 |
Research Abstract |
4,6-ジメチル-2-シロキシピリリウムトリフラート(1__〜)を4,6-ジメチル-2-ピロンとt-ブチルジメチルシリルトリフラートから、無溶媒110℃1時間という条件で調製した。生成した1__〜と有機銅試薬の反応を行ったところ、1__〜の4位に置換基が導入された対応する4H-ピラン(2__〜)が得られた(収率40-65%)。有機銅試薬の置換基(R)や対カチオンなどの検討を行った結果、〈1〉Rがアリール・ビニルおよび2級アルキルの場合は2__〜が選択的に得られたが、Rが1級アルキルやメチル基の場合は2__〜と6位付加物の混合物となった。〈2〉R_2CuLiの方がR_2CuMgBrよりも好収率で2__〜を与えた。生成した2__〜は感情ケテンシリルアセタールであるので、種々の求電子試薬との反応を行うことができた。2a__〜(R=p-トリル)とm-クロロ過安息香酸との反応では3-シロキシ-2-ピロンが33%の収率で得られ、イミニウム塩との反応では3-メチレン-2-ピロンが63%の収率で得られた。またDMF中N-ブロモスクシンイミドで2__〜を処理すると、3-ブロモ-2-ピロン(3__〜)が47-92%の好収率で得られた。3__〜はジアステレオマー混合物として得られた(74/26〜89/11)が、主生成物を置換基Rと臭素がトランスの生成物であると帰属した。これはRがビニル基の場合の主生成物のNOE実験から確認した。生成した3__〜の4-アリールまたは4-アルケニル-3-ブロモ体は、Ag(I)塩の存在下でアリールまたはアルケニル基が3位に転位した3-置換2-ピロンを与えた。この転位反応の最適条件を検討した結果、ジクロロメタン中AgSbF_6を用いるのが最も良いことがわかった。この方法では、ほとんどの3__〜は室温15分以内に転位が完了するため今までの方法では得ることが困難であった不安定な3-アルケニル-2-ピロンを得ることができた。この転位反応は、〈1〉3__〜のトランス体の方がシス体よりもはるかに速く反応する。〈2〉転位に関与するアルケニル基の立体化学は完全に保持されるなどという特徴を有し、転位は協奏的に起こることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)