Project/Area Number |
63607527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大辻 吉男 大阪府立大学, 工学部, 教授 (20081341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 一彦 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10109879)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | シクロプロパン / 多環芳香族化合物 / 光電子移動反応 / ラジカルイオン / 光酸素酸化反応 / シクロプロパン環へのNO挿入反応 / 1、2-ジオキソラン / 2-イソオキサゾリン |
Research Abstract |
新しい有機ラジカルイオン種発生法の開発とその特性、酸素分子による有機ラジカルイオン種の酸化反応およびその関連反応とそれらの特性、これら諸反応の合成化学的利用の3課題を中心に研究を進め、次のような成果を得た。 1.シクロプロパン化合物の位置および立体選択的光酸素酸化反応:(1)3-アルキル-1、2-ジアリールシクロプロパン〔1〕と9、10-ジシアノアントラセン(DCA)とを含むアセトニトリル溶液に光照射すると、〔1〕から励起-重項DCAへの光電子移動により〔1〕のラジカルカチオンが発生するが、その発生効率は、反応系中にMg(ClO_4)_2を加えると、飛躍的に向上した。(2)この光電子移動反応を酸素雰囲気下で行うと、〔1〕に酸素分子が位置および立体選択的に挿入し、1、2-ジオキソラン誘導体が高効率かつ高収率で生成した。(3)この光酸素酸化反応は、1、3-ジオール誘導体の立体選択的合成の鍵反応として利用できた。 2.シクロプロパン環へのNO挿入反応:(1)1、2-ジアリールシクロプロパン〔2〕から同起-重項DCAへの光電子移動により発生した〔2〕のラジカルカチオンは、NO分子とも反応し、2-イソオキサゾリン誘導体を高収率で与えた。(2)このシクロプロパン環へのNO分子挿入反応は、暗中、〔2〕とNOBF_4との反応によっても起り、しかも配向選択性が高く、イソオキサゾリン誘導体の簡便合成法として利用できた。 3.芳香族化合物の光酸素酸化反応:(1)上記1-(2)の方法により各種置換基をもつビフェニル誘導体を光酸素酸化すると、電子供与性基をもつベンゼン環が効率よく酸化され、安息香酸誘導体を与えた。(2)O-,m-,p-テルフェニルを同様にして光酸素酸化すると、いずれも中央のベンゼン環が効率よく酸化され、安息香酸を主生成物として与えた。(3)DCAのラジカルアニオンも酸素分子により酸化することができた。
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