電子線励起X線全反射角分光法による半導体薄膜の構造の研究
Project/Area Number |
63609504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井野 正三 東京大学, 理学部, 教授 (70005867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大門 寛 東京大学, 理学部, 助手 (20126121)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ゲルマニウム / 反射高速電子回析 / 原子層成長 / 成長過程 / 脱離過程 |
Research Abstract |
本研究では、Ge(111)表面上にGeを蒸着したときに見られるRHEED反射点の強度の振動する様子を測定し、1原子層単位のGe結晶の成長過程の研究をおこなった。電子線の入射方位を〔112〕に設定してRHEEDパターンを蛍光板上に映し出し、鏡面反射点の強度及び形状の変化をTVカメラを用いて詳細に測定した。下地温度は約180℃でGeを蒸着した時には、2原子層単位の成長に対応する振動が観察された。電子線の入射方位〔112〕から約5°ずらして同様の測定をおこなうと、1原子層周期の振動がみられた。この条件においては鏡面反射点の指数はl=3.4に相当するが、バルクの指数で(333)(l=3.0)に相当するスポットが観察され、その裾野が強面反射点に重なっていることがわかった。そここので2つのスポットを分離して振動の1周期にわたって強度の変化を測定したところ、両スポットとも2原子層単位で振動していた。しかし振動の位相が互いに半周期ずれているため、見かけ上の1原子層単位の振動が現れることがわかった。以上のことからGeの成長は1原子層単位ではなく2原子層単位であることが明かとなった。 またイオン励起全反射角X線分光法によるSi(111)上のAgの成長過程や脱離過程研究も行った。Agの吸着量はRBS(ラザフォード後方散乱)ランダムスペクトルによってイオン励起のX線スペクトルを較正して見積った。測定された脱離曲線をみるとAgの結晶粒子と√<3>×3┫D3┣D83構造が共存する状態では蒸発速度は大きいが、吸着量が1原子層となる前後でAgの脱離速度が急激に小さくなった。このことからSi(111)┣D83┫D8×┣D83┫D3-Ag構造のAgの吸着量はIMLと推定される。また、この構造の表面からの脱離の活性化エネルギーは63Kcal/molと求められた。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)