Project/Area Number |
63610001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角皆 静男 北海道大学, 水産学部, 教授 (00001587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 義久 東海大学, 海洋学部, 助教授 (00152752)
才野 敏郎 東京大学, 海洋研究所, 助手 (60126068)
増沢 敏行 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助手 (40023858)
乗木 新一郎 北海道大学, 水産学部, 助教授 (80109511)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥11,400,000 (Direct Cost: ¥11,400,000)
Fiscal Year 1988: ¥11,400,000 (Direct Cost: ¥11,400,000)
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Keywords | 海底境界層 / 深層物質循環 / 深層海水循環 / 堆積物 / セジメントトラップ / 沈降粒子束 / 化学物質 |
Research Abstract |
本重点領域研究の第2年度目にあたる本年度は、サンプリングが中心であったが、得られた試料について分析し、データの解析もした。特に顕著な成果としては、次の2点があげられる. ・沖縄舟状海盆の海溝底へ流れ下る物質の起源 海溝部に3基のセジメントトラップを設置し、得られた試料についてPb-210、Po-210、Th-230などの分析を行なった。その結果Po-210/Pb-210比は、通常の海では2〜3程度であるのにもかかわらず、海溝内では、ほぼ1.0であった。一方、Th-230/Th-232比は深さとともに増加した。 以上の結果やその他の結果も合わせて推論すると、沖縄舟状海盆には、東シナ海の浅海部の海底にいったん達した物質が、堆積物になる前に半年以上かけて、海底近くを流れ下ってくることになる. ・沈降粒子中アルミノケイ酸塩の起源 伊豆マリアナ海嶺を境にして、西のフィリピン海側と東の北西太平洋側とでは、沈降粒子のアルミノケイ酸塩に著しい違いがあることがわかった。すなわち第1に、西側の方が量的に極めて大きいことである。第2にその化学組成の違いである。西側では、Th、Al、Kなどが多いのに対し、東側ではFe、Mgなどが多い。これは、西側には大陸地殻の物資、東側には海洋地殻の物質が寄与していることを示している。 現在、上記の物質が、河川等を通じて浅海から入ってきたものか、大気圏を経由して入ってきたものか検討中であるが、日本海溝域には、比較的近くから供給された物質の寄与が大きいことを示している。つまり太平洋の深海堆積物中のアルミノケイ酸塩の大部分がアジア大陸起源と考えるのは、行き過ぎのようである。
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