黒潮内側域における中深層水の湧昇と栄養塩の輸送・収支に関する研究
Project/Area Number |
63610002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉本 隆成 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40004428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 雅人 横浜商科大学, 商学部, 助教授 (20195811)
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Project Period (FY) |
1988 – 1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 陸棚斜面 / 黒潮前線 / 低気圧性渦 / 中層水の湧昇 |
Research Abstract |
東シナ海の沖縄海盆は、南西から北東に走る大陸棚斜面と南西諸島に挟まれ、台湾、与那国島間の南西の端とトカラ海峡の北東端は水深1000m以浅のシルにより、沖縄舟状海盆の深層の水は閉塞されている。このような半孤立的海盆の深層海の海水交換機構を解明する研究の一環として、中深層水の湧昇について考察した。 メキシコ湾流域の大陸棚斜面では、前線波動に伴って直径数10kmスケールの低気圧性渦が発達する際に生じる10m/日程度の強い湧昇流が見い出されている。そこで、1984年6〜7月に東シナ海の大陸棚斜面域で行ったCTDによる水温、塩分のグリッド観測と、係留系による観測結果、および台湾、与那国島間のCTDによる鉛直断面観測の結果等を解析し、東シナ海の大陸棚斜面域における湧昇流の速度、黒潮の取り込みによる強化の実態を明らかにした。その結果、黒潮前線域の栄養塩に富んだ下層の水(中層水)を上層あるいは陸棚に運ぶのは、底相のエクマン流ではなく、黒潮前線の低気圧性渦の発達に伴うポンピングによるものと推察された。さらに1984年夏と1987年夏の白鳳丸航海によるCTDと溶存酸素資料も用いて、沖縄舟状海盆の中深層水の水塊特性を南西諸島南側のものと比較し、海盆内の水の起源や孤立状態について調べた。その結果、シルより深い1300m以深の水は外側から入っていないこと、入った100m付近の水は鉛直によく混合しており、溶存酸素濃度もほとんど低下しないことがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)