Project/Area Number |
63611505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 裕子 東京大学, 理学部, 助手 (80172550)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 蒸発 / 凝縮 / 隕石 / コンドライト / 斜長石 / かんらん石 |
Research Abstract |
惑星・隕石構成鉱物のほとんどは固溶体をなし、蒸発・凝縮過程における元素分配は熱力学的計算により求めることができない。固-気-液相の相関係、カイネティクス効果を斜長中を用いた真空実験により求めた。斜長石はAnモル80、62、54の3種、純粋なAnorthite、Albiteで、実験の温度は斜長石の場合1200〜1475℃、Anの場合1350〜1450℃、Abは1000〜1080℃、全圧は1×10^<-7>〜1torr、水素ガスを流した場合とそうでない場合がある。時間は6〜212時間の範囲であった。 1.いずれの結果も凝縮物の量は乏しく観察できなかった。このことは蒸発した量が乏しかったことによっている。 2.斜長石は部分蒸発の結果、SiとCaに富むノンストイキオメトリックな斜長石に変化した。組成が変化する程度は条件に依存し、温度が高いほど、水素の分圧が高いほど大きくなる。したがって水素は触媒の役割を果すと考えられる。組成変化の方向は温度・圧力に無関係で、出発物質の組成にのみ依存している。これはかんらん石と根本的に異なり、構造の違いに由来すると考えられる。 3.ガスの組成はSiを頂点としNa、Al,Caを底面とする四面体で考えると、SiからAnとAbを通る直線がそれぞれ底面に交わる点とSiを含む面内のNaに富む部分にあると考えられ、それぞれの出発物質により異なるがいずれもノンストイキオメトリックである。 4.アノーサイトは蒸発はほとんどおこらなかったが、水素圧が高い場合のみSiが部分蒸発し、Si-Al-Ca系のeutectic pointでの溶融がおきた。同時に結晶作用がおこりCaAl_<12>O_<19>、CaAl_2Si_2O_7、CaAl_4O_7などが晶出した。真空下でのみおこる溶融の一形態として注目される。 5.アルバイトは200時間以上の加熱でも蒸発せず、固体状態ではNaはかなり長時間の加熱でも損失しないことがわかった。
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