常磁性金属イオンをプローブとする高分子金属錯体の構造とゆらぎの研究
Project/Area Number |
63612501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
引地 邦男 北海道大学, 理学部, 教授 (30000805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 栄 北海道大学, 理学部, 教務職員
鴇田 昌之 北海道大学, 理学部, 助手 (80163963)
平沖 敏文 北海道大学, 工学部, 助教授 (10125346)
戸倉 清一 北海道大学, 理学部, 教授 (40000806)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ポリアミノ酸 / コポリマー / 構造 / 動的挙動 / Cuイオン / 常磁性緩和 / IHNMR / BCNMR |
Research Abstract |
グルタミン酸がCu(II)あるいはMn(II)と錯体を形成する際にロイシンがどのように影響するかを調べるため、グルタミン酸とロイシンとのコポリマーについてNMRの研究を行った。グルタミン酸とリシンのコポリマーについて、グルタミン酸残基とリシン残基の近距離相互作用が錯体形成にどのように影響するかを調べた。 中性pH、室温においてpoly(glu、leu)にCu(II)あるいはMn(II)を加えると、グルタミン残基のシグナルの線幅が広がるが、ロイシンのシグナルにはほとんど影響が現れない。この結果は、Cu(II)あるいはMn(II)はグルタミン酸残基とのみ相互作用することを示しており、疎水性残基は大きな影響を与えないことを示唆している。グルタミン酸とリシンのコポリマーにCu(II)を加えると、グルタミン酸のCrとC_8シグナルが著しく影響を受けるが、リシン残基のシグナルはほとんど影響されない。pH10で、Cu(II)を加えた場合、リシン残基のC_ε、C_8のシグナルの線幅が広がり、更に、グルタミン酸のC_8、Crのシグナルの線幅も広がることがわかった。これらのことは、酸性pHでCu(II)はグルタミン酸のカルボキシラートに配位しアルカリpHでリシンのεアミノ基に配位するというグルタミン酸及びリシンのホモポリマーでこれまでに得られていた結果と一致する。しかし、アルカリpHでグルタミン酸の側鎖炭素も影響を受けることはホモポリマーでは見られなかったことで、リシンのεアミノ基とグルタミン酸のカルボキシラートの両者がCu(II)に配位していることを示唆している。酸性pHでは、錯体の平均寿命はT_<1M>(〜1_<ms>)より短い。アルカリpHでは、平均寿命は1_<ms>より長い。いずれの温度においてもT_<2M>が10^<-8>_s程度と小さいためで、錯体の平均寿命は10^<-6>_sよりは長いことがわかる。pH5.6でCu(II)-グルタミン酸C_8の距離は2.3A、Crまでの距離は2.4Aと求められた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)