ナノ・ピコ秒レーザーホトリシスによる高分子錯体系の電子移動ダイナミクス
Project/Area Number |
63612510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
増原 宏 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60029551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福村 裕史 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (50208980)
板谷 明 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (80035071)
浜之上 熊男 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30025374)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ポリビニルカルバゾール / 光電導 / エキシプレックス / CT錯体 / レーザーホトリシス / イオン対 / 時間分解スペクトル |
Research Abstract |
芳香族ビニルポリマーのフィルムにおける光キャリヤーの生成は、芳香環の直接光イオン化という内因的機構によっては困難であり、電子受容性化合物との電荷移動相互作用に基づく外因的機構により起こっている。その過程は、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVCz)について最もよく研究され、光電導性に対する添加物効果、光酸化効果、磁場効果、さらには電子受容性化合物を添加したフィルムの定常光励起によるエキシプレックス蛍光、電荷移動(CT)蛍光に対する電場消光などの研究により明らかにされてきた。しかしながら、本来、光電荷分離過程が動的過程であることを考慮すると、蛍光の生成減衰曲線、時間分解スペクトルの測定などの動的測定が必要不可欠と考えられる。又、従来提案されているスキームにおいては、電子供与体として働くものはカルバゾールモノマーとされており、又イオン対の生成収率などについての検討は行われていない。我々は、この固体高分子電荷移動錯体の光電荷分離機構を明らかにすることを目的とし、電子親和力の異なる9種の電子受容性化合物をドープしたPVCzフィルムの空間飛行法による光電導特性の測定と、単一光子計数法によるエキシプレックス、CT蛍光の生成減衰曲線、時間分解蛍光スペクトルの測定を系統的に行い、光キャリヤー生成収率と、蛍光の動的挙動の両面から検討を行い、新しい考え方をまとめた。又、我々は全く新しい高分子系電子移動ダイナミクスの探索を目的に新しい方法論の開発もはかっている。ナノ・ピコ秒のATR、UV分光法、拡散反射レーザーホトリシスを用いた研究については最終年度これを大きく発展させる新しい手がかりを得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)