Project/Area Number |
63614511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内山 卓 京都大学, 医学部, 助手 (80151900)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
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Keywords | IL-2受容体 / ATL / HTLV-I / T細胞増殖 / Cカイネース |
Research Abstract |
本年度は、1)IL-2受容体を介するシグナル伝達、親和性形成に重要と考えられているが、その構造が不明のIL-2受容体β鎖に対するモノクロナル抗体の作製、2)ATL患者白血病細胞、HTLV-I感染細胞株におけるβ鎖発現、および、3)HTLV-I感染細胞株EDにおけるIL-2依存性増殖より非依存性増殖への移行に伴う細胞内変化の検討、を行った。まず、α鎖(Tac)とは反応せず、IL-2の結合を阻止する2R-B抗体の作製に成功した。この抗体依存下のIL-2結合試験では、高親和性受容体が消失するが、低親和性受容体(α鎖)には影響を与えない。また、抗Tac抗体と共同でIL-2依存性増殖をほぼ完全に阻止することから、2R-B抗体は、IL-2受容体β鎖(P75)を認識していると考えられる。今後、この抗体は、IL-2受容体の構造、発現調節、シグナル伝達機構の研究に、有用な武器となろう。2)に関しては、ATL患者末梢血白血病細胞では、150〜1,500/細胞の高親和性、1,600/22,700/細胞の低親和性受容体を発現しているが、2R-B抗体でのβ鎖の検出は困難な例が多い(検出感度の問題か)。短期間培養の系では、β鎖発現の増強がみられ、この結果は、α鎖と同様に、β鎖発現とHTLV-I発現の間にも密接な関連性のあることを示唆している。3)IL-2依存性増殖より非依存性増殖への移行に伴っては、IL-2,IL-4、GM・CSFオートクリン増殖は証明されなかった。また、TPA刺激は、依存性株では細胞増殖を引き起こすのに対し、非依存性株では増殖を抑制し、この抑制効果はPDBu高濃度処理により消失した。PDBu結合部位数は、非依存性株は依存性株の約5倍認められた。これらの結果から、高濃度PDBu処理抵抗性の細胞増殖促進性に作用するCカイネースの量的増加、あるいは活性化が,IL-2依存性増殖より非依存性増殖への移行に伴う変化の一つである可能性が考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)