Project/Area Number |
63614513
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神奈木 玲児 京都大学, 医学部, 講師 (80161389)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
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Keywords | 糖鎖抗原 / 癌 / モノクローナル抗体 / SSEA-1 / シアリルSSEA-1 / ガングリオシド / シアリルLe^a / GM_2抗原 |
Research Abstract |
本研究は次の5つの問題の研究に重点をおいている。それぞれの問題別に本年度の成果を述べる。(1)糖鎖性癌抗原における抗原糖鎖の一次構造と癌特異性との間の構造相関をあきらかにする事。これについて本年度は、一型糖鎖について、NeuAcの2→3と2→6の結合の癌特異性との相関をほぼ解明した。また、非ポリラクトーサミン系の抗原としては、GM_2抗原の血清結成診断を検索中である。(2)多数のヒト癌症例の組織につき糖鎖抗原の分布と症例差を解析しヒト癌の糖鎖抗原地図を作成し、見出された糖鎖抗原に対しては新たにモノクローナル抗体を作成する事。本年度は、肝癌16例、肺癌39例、膵癌5例、生殖器系悪性腫瘍5例、大腸癌20例、腎癌5例、神経芽細胞腫2例の癌組織からの糖鎖抗原の抽出を完了し、現在糖鎖抗原の出現パターンと、個々の抗原の構造解析を行っている。(3)糖鎖性癌抗原を目標にした免疫治療を可能にするために、糖鎖抗原に対する免疫応答の制御機構を研究し、各種の癌治療法を検討する事。これについて本年度は2型糖鎖抗原の代表である抗シアリルSSEA-1抗体に対する抗イディオタイプ抗体、抗フコシルSSEA-1抗体に対する抗イディオタイプ抗体および1型糖鎖抗原の代表である抗2→3シアリルLe^a抗体に対する抗イディオタイプ抗体2種の樹立に成功した。(4)合成糖鎖抗原を用いたモノクローナル抗体の作成法を確立する事。これについては有機化学的に合成した酸性糖脂質に対して抗体を作成する事に成功した。(5)糖鎖性の血清腫瘍マーカーのそれぞれの臨床的意義をあきらかにし、これらの適切な整理分類法を確立して有効な組合わせ診断法を見出だす事、これについては、2→3シアリルLe^aおよび2→6シアリルLe^aを組み合わせて同一血清で測定しその比を求めると良悪性の鑑別に役立つ可能性があることを見出した。
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