リンフォカインと受容体の遺伝子発現とリンパ球増殖の制御機構の解析
Project/Area Number |
63614521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷口 維紹 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (50133616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 源 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (80174712)
畑山 昌則 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (40189551)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥22,000,000 (Direct Cost: ¥22,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥22,000,000 (Direct Cost: ¥22,000,000)
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Keywords | インターロイキン / インターフェロン / ATL / 転写制御 / IL-2受容体 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
我々はすでにIL-2及びその受容体(IL-2Rα)の遺伝子が活性化されたT細胞において発現する為に必要なDNA配列を同定した。本年度は両遺伝子の制御DNAに結合する転写因子の同定を試みた結果、IL-2及びIL-2Rα遺伝子に共通に作用する因子の存在を明らかにした。事実この因子は活性化T細胞株の核内に特異的に、DNA結合能を持つ制御因子として発現されることや、この因子の結合能を欠いた両遺伝子の変異株においては遺伝子の発現レベルが著しく低下することが明らかとなった。更にこの因子はIL-2、IL-2RαのみならずIL-6、IFM-γ、HTLV-1及びHIV-1のLTRなどにも結合し、T細胞で発現される様々な遺伝子の発現に関与していることが明らかとなった。 一方で、IL-2、IL-2Rαの異常発現とATLの関係を調べるため、本年度はHTLV-1のLTRにpx遺伝子(cDNA)を結合したミニプロフィル遺伝子を構築し、培養T細胞に導入し、遺伝子が宿主染色体に組み込まれた細胞を樹立した。その結果、これらの樹立細胞は、IL-2及びIL-2Rαを細胞の活性化なしに構成的に発現することが判明した。更にこのような発現は細胞の増殖サイクルに依存する証拠も得た。 抗ウイルス活性、MHCクラスI分子の誘導などの働きが知られるインターフェロンβ(IFN-β)の遺伝子発現を制御する因子IRF-1を同定し、そのcDNAクローニングに成功した。解析の結果マウスIRF-1は329個のアミノ酸より成り、その全構造が明らかとなった。更にこのIRF-1の遺伝子そのものがウイルスによって発現誘導されることを明らかにした。一方ではこの遺伝子を発現ベクターに組み込んでIFN産生細胞(COS細胞)で発現させるとIFN-α及びIFN-β遺伝子が活性化されることが判明した。一連の事実はIRF-1がIFN遺伝子の発現に関与していることを裏づけるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)