Project/Area Number |
63615502
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大坪 栄一 応用微生物研究所, 教授 (10158800)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | R因子 / R100 / 接合伝達 / 性決定因子 / tra / DNA伝達 |
Research Abstract |
本研究はR100DNAの接合の伝達と制御に関する遺伝子を明らかにすることが目的である。我々は本年度に於いて、R100のtraの2/3に相当する領域の塩基配列を決定したが、この領域にはDNAニッキング酵素をコードすると考えられている遺伝子(tray,traz)や、これらを制御する遺伝子(finO,finP,traJ)、およびDNA合成開始点(oriT)が含まれていた。これまでの研究結果をまとめると次ぎのようである。(1)finO,finPの解析。finOは約21kd蛋白質をコードする遺伝子であることを明らかにしたが、finPはRNAをコードし、正の制御遺伝子traJのmRNAとは逆向きに作られることを明らかにした。また、このRNAがfinO産物と共同して転写、及び翻訳の両レベルでtraJの発現を止めることを明らかにした。(2)traYとtraZの解析。これらの遺伝子産物はoriTに作用しDNAにニックを入れ、DNA伝達を開始すると考えられているが、traY遺伝子の産物を精製して、それがoriTのすぐ近くの特異的領域に結合すること、更に、traYの上流域にも結合することを明らかにした。この結果はTraY蛋白質が自己制御能を持つことを示しているのかも知れない。traZの塩基配列も明きらかにしたが、予想されていたよりも小さな蛋白をコードすることが分かった。(3)traIとtraDの解析。traIの構造を明らかにし、これがヘリケースの構造遺伝子であることを確認した。また、traDが約80kdの蛋白質をコードする遺伝子であることを明らかにしたが、興味深いことにtraDにはGln-Gln-Proが10回繰り返した領域が存在していた。
|