細胞増殖因子による細胞周期の制御機構におけるCキナーゼの役割
Project/Area Number |
63615514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高井 義美 神戸大学, 医学部, 教授 (60093514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 康弘 神戸大学, 医学部, 助手 (80169755)
貝淵 弘三 神戸大学, 医学部, 講師 (00169377)
菊地 章 神戸大学, 医学部, 助手 (10204827)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 細胞増殖因子 / Cキナーゼ / ホスホリパーゼC / fos遺伝子 / ras遺伝子 / GTP結合蛋白質 |
Research Abstract |
哺乳動物細胞の複製は種々の細胞増殖因子によって制御されており、その制御機構を理解するには細胞増殖因子の作用機構を分子レベルで解明することが必須である。私共は本研究で、まず血管平滑筋細胞において、PDGFによるホスホリパーゼC(PLC)反応はCキナーゼにより制御されないが、アンジオテンシンIIとセロトニンによるPLC反応はCキナーゼにより制御されることを見出し、各受容体とPLCとの共役機構が異なっている可能性を明らかにした。また、アンジオテンシンIIとセロトニンはPDGFの共存下ではPDGFによるDNA合成を相乗的に促進することを明らかにした。しかし、アンジオテンシンIIと、PDGFを同時に作用させた時のPLC反応とc-fos遺伝子の発現は相加的に促進されるのみであった。現在、このDNA合成促進の相乗作用の機構の解析を進めている。さらに、最近、このDNA合成促進の相乗作用の機構の解析を進めている。さらに、最近見出された血管作動物質エンドセリンがPCL反応を引き起こし、本反応がCキナーゼによって抑制されることも明らかにした。一方、構成的に活性化されるCキナーゼのcDNAを構築して、活性型Cキナーゼによるc-fos遺伝子の発現系を確立し、活性型CキナーゼがJurkat細胞においてserum response clement(SRE)を介してc-fos遺伝子の発現を促進することも明らかにした。また、ras遺伝子産物(ras p21)はPC-12細胞においてCキナーゼやAキナーゼとは非依存的にSREを介してc-fos遺伝子の発現を促進することを明らかにした。他方、私共はすでにras p21に類似する新しいGTP結合蛋白質(G蛋白質)であるsmg p21とsmg p25Aの精製と構造決定に成功した。今後、これらのG蛋白質とPLCやCキナーゼとの関連についても解析を進める予定である。以上、本年度は予想以上の研究成果を達成することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)