トランスポゾンを用いたシュードモナス属細菌の遺伝解析系の構築
Project/Area Number |
63616503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
津田 雅孝 東京大学, 理学部, 助手 (90172022)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | シュードモナス属細菌 / Pseudomonas putida / トランスポゾン / 突然変異誘発 / 遺伝子クローニング / 高頻度染色体伝達 |
Research Abstract |
独特の遺伝子構成と発現制御様式とともに多様な化合物の代謝を持つシュードモナス属細菌の遺伝解析系の不備を克服するために、可動性のDNA因子であるトランポゾン(以下Tnと略)の誘導体をinvitro遺伝子操作で作製し、これらTn誘導体を用いてPseudomonas putidaの新たな遺伝解析系を構築した。(1)挿入突然変異誘発系と挿入部位の簡便なクローニング系の開発。トランスポゾンTn1722内に大腸菌ベクタープラスミドpACYC184を付加した誘導体Tnと伝達性プラスミドR388の接合伝達に関与するtra遺伝子群を連結させたプラスミドを作製した。このプラスミドを接合によりP.putidaに移入すると、Tn誘導体領域のみが宿主染色体上に転移した株が容易に得られ、6559の転移株中約0.7%はアミノ酸・核酸塩基生合成遺伝子の挿入突然変異体であった。これらの突然変異のうち約3割はtrpAB領域に分布していたことから、Tn誘導体の染色体への挿入はランダムではないと結論された。Tn誘導体がpACYC184の複製起点と薬剤耐性遺伝子をもつことを利用し、挿入突然変異体から調整した全DNAを制限酵素で消化した後、自己連結化し、大腸菌に直接形質転換することで、Tn挿入部位を含むDNA領域のクローニングを行なった。trpAB突然変異体の解析では、Tn挿入部位を含む30kbの領域の物理的地図の作製と地図上でのTn挿入部位の決定がなされた。(2)高頻度染色体伝達(Hfr)株の作製。R388のtra遺伝子群をpACYC184Tn1722上のTn内に付加して作製したプラスミドを接合によりP.putidaに移入すると、Tn誘導体領域のみ宿主染色体上に転移した株が得られた。転移株と他の栄養要求性突然変異株との接合実験から、転移株はHfr株の性質を示し、その染色体伝達はTn挿入部位を起点に一方向にのみおきることが判明した。また検討した2つのHfr株間では、染色体伝達の起点が異なり、伝達方向も互いに逆向きであることが見てだされた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)