胃酸分泌細胞におけるH^+、K^+ポンプとイオンチャネルの協同と転座機構
Project/Area Number |
63617505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 京都大学, 医学部, 講師 (10025661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 俊二 京都大学, 医学部, 助手 (70191913)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 胃酸分泌 / H^+、K^+ポンプ / K^+チャネル / Cl^-チャネル / 膜容量 / 膜コンダクタンス / 壁細胞 |
Research Abstract |
壁細胞による胃酸分泌は、「分泌レセプター刺激→細胞内Ca^<2+>、サイクリックAMP増→管腔側細胞膜への分泌機能分子の動員・活性化→H^+、Cl^-分泌」のステップで行われる。この分泌機能分子は、H^+分泌を直接担うH^+、K^+交換ポンプと、その活性化に関与するK^+チャネル、及びCl^-分泌を担うCl^-チャネルであろう。H^+、K^+ポンプの動員は細胞内膜系から管腔側細胞膜への転座によりもたらされることが生化学的に明らかとなっている。しかし、その転座は分泌小胞の管腔側膜への融合によるのか、それとも細胞内に折りたたまれた細管状膜の伸展によるのかについては不明のままである。一方、イオンチャネルの動員機構については全く未知のままである。そこで本研究では、イオンチャネルとポンプの動員機構を電気生理学的に解明するために、膜容量・膜コンダクタンス同時測定法を確立し、モルモット単離壁細胞にこれを適用することが行われた。この壁細胞に酸分泌刺激を与えたところ、酸分泌応答(即ちH^+、K^+ポンプ動員・活性化)を示すことがアクリジンオレンジ螢光法で明らかとなった。同細胞にパッチクランプ全細胞記録法を適用し、静止時イオンチャネル電流を求めたところ、Cl^-チャネル、外向き整流性K^+チャネル、内向き整流性K^+チャネルが、同定された。更に酸分泌刺激によって新たなCl^-チャネルと、非選択性カチオンチャネル電流の活性化が見出された。細胞内膜系からのポンプ動員・転座を膜容量変化として、チャネル活性化を膜コンダクタンス変化として同時的に測定するためにphase-sensitive detection methodに改良を加えて壁細胞に適用した。その結果、ヒスタミンで主として容量増が、カルバコールで主としてコンダクタンス増が観察され、チャネルとポンプの動員機構と両者の相互作用を今後定量的に解析してゆくことが可能となった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)