Project/Area Number |
63626007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
鯨岡 峻 島根大学, 教育学部, 教授 (50032602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 益男 国立特殊教育研究所, 聴覚言語障害教育研究秩, 研究室長 (10168859)
津守 真 日本総合愛育研究所, 特別研究員
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Project Period (FY) |
1988 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | コミュニケーション障害 / 障害児教育 / 障害児保育 / 母子関係 / 発達 |
Research Abstract |
(1)コミュニケーションの基底構造解明に向けての研究(鯨岡) 鯨岡はコミュニケーションの基底構造を発達初期の健常母子の関係の中に見出せるという仮説の下に、乳児院で育つ2組の乳児と特定保母との関わりを毎週1回追跡観察記録し、VTRの分析の他、保母の内省報告を得てきた(今後も継続)。得られた結果の中で特に注目すべきは、保母が子どもの意図を単に受動的に受容するのではなく、子どもの意図を保母が醸成するように能動的に関わることによって、コミュニケーションが成り立つ場面が頻繁に見られたことである。この事実は、コミュニケーション障害を「関係の取りにくさ」として見ていこうとしている我々の班の研究目的にとって特に重要であると思われる。 (2)コミュニケーション障害の場に臨む保育者、教育者の関与のあり方に関する研究(津守、鯨岡、大石の共同研究) 愛育養護学校を研究の場として、コミュニケーションを取るのが難しい子どもたちへの関わりをどのようにすれば、関与者としてより一層子どもたちを理解しやすくなるかをテーマに研究を重ねた。データとなったのは保育場面のVTR記録と、保育者の保育記録である。得られた結果の中で注目されるのは、子どもに馴染むことによって子どもの行動の文脈や背景を押さえることができれば、一見コミュニケーションが取りにくいと思われる子どもとの関係においても、行動の了解可能性が非常に高くなり、関与者の「コミュニケーション障害」という観念が背景化されていくことである。 (3)教師の指導日記の検討を中心にした研究(大石) 精神薄弱特殊学級の担任教師の指導日記を検討することを通して、担任の子どもを見る目、担任の保護者との関係が、子どものコミュニケーション上の問題を構成する場合があることを事例的に明らかにした。
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