コミュニケーション障害児のノンバーバル行動に関する研究
Project/Area Number |
63626508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐々木 正人 早稲田大学, 人間科学部, 講師 (10134248)
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Project Period (FY) |
1988 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ジェスチャー / 先天性盲人 / 言語理解 / 対人コミュニケーション |
Research Abstract |
日常的なコミュニケーション場面で、我々は大きく分けて二種のジェスチャーを自発する。一つは、通常の分類ではエンブレム(emblems)と呼ばれる、文化により異なるジェスチャーである。エンブレム(肯定の頷き、OKサイン等)は、発話とは独立して単一で明確な意味を伝達する。その意味は社会・歴史的に規定され、学習によって獲得される。エンブレムは意図的に行われる。もう一つのジェスチャーはMcneil(1987)がgestificationと呼ぶ、発話事態に"溶け込んでいる"ジェスチャーである。我々はメッセージを他者に伝えようとする時、あるいは特に伝達は意図していなくとも、問題を解決しようとする時、身体の前の空間で両手により様々な振る舞いをする。我々はgestificationに関してはそれを行っているという意識は希薄である。gestificationは、発話されている文の節(clause)に対応して現れ、対象・事象の視覚的側面を表現している図像的(iconic)ジェスチャー、文の区切れに対応するbeat、話者の表象している世界のより深い意味を表現している比喩ジェスチャーなどからなる。 本研究ではこのgestificationの、視覚障害者(先天盲・後天盲、統制群として健常大学生の目隠し条件と目隠し無し条件)での現れを観察した。観察場面は概念等の定義課題(例えば、「積極的」と「消極的」を定義させる)と思考課題(例えば「円筒形のチーズを3回切って8等分する方法」を問う)など4場面であった。 結果は先天盲では一部の思考課題を除いてジェスチャーがほとんど見られないことを示し、発話に随伴して現れるジェスチャーになんらかの社会的な起源が予想できることを示唆した。また彼らの説明は一般に冗長な傾向があり、ジェスチャーをしないことが思考内容に影響している可能性を示唆した。
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Report
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Research Products
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