Project/Area Number |
63629004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐々木 節 広島大学, 理論物理学研究所, 助教授 (70162386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 太彦 東北大学, 理学部, 教授 (70108447)
小玉 英雄 京都大学, 教養部, 助教授 (40161947)
池内 了 国立天文台, 教授 (90025461)
荒船 次郎 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (80013415)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1988: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ダークマター / 宇宙の大域的構造 / 自己重力系の動力学 / 統一理論 |
Research Abstract |
本年度は、ダークマター(以下、DMと略す)と宇宙の構造問題に関する十分な共通認識を得ることを目標とした研究会を1月末に3日間、広島大学理論物理学研究所において開き、専門家による宇宙の大域的構造の観測、DM検出実験等の詳しいレヴューを基に、その意義に関する突っ込んだ義論を行なった。理論面では、宇宙の大域的構造の形成・進化の理論、その結果から予言される宇宙論的観測量、様々なDM候補の利点と欠点、及びそれらを直接的・間接的に検出するための方法等について、解析的・数値的両面からの研究成果が発表され、その結果の物理的意味や結果の信頼性について、批判的かつ建設的な議論を行なった。 その結果、研究会参加者全員がDMと宇宙の構造問題の現状とその将来の課題に関して、十分な共通認識を得ることが出来た。特に、理論的に今後追求すべき、我々に残された課題の主なものを以下に挙げる。 1.熱いDM(HDM)理論は、これまで数値的計算結果と観測データとの矛盾が指摘されていたが、そのどちらもが、必ずしも絶対的ではなく、HDMの可能性も十分追求すべきである事。 2.冷たいDM(CDM)理論は、現在の観測データと最も無矛盾であるが、その候補となる様々な素粒子の特性と宇宙分布に関して、今後の検出実験の指針となり得る、十分定量的な理論的予測が急がれる事。 3.HDMあるいはCDMを主成分とし、バリオンを含んだ自己重力系の進化と緩和過程の特徴を明らかにするために、信頼度の高い数値計算コードの開発が非常に重要である事。 4.宇宙論的観測データと理論的予測との定量的比較に関する精密な理論の構築や様々な(統計的)手法の開発が不可欠である事。 今後は、以上に挙げた点を念頭に、研究分担者各自がそれぞれの専門分野で研究を進めるつもりである。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)