ドハース=ファンアルフェン効果によるf電子系の電子状態の研究
Project/Area Number |
63634014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
北澤 英明 理化学研究所, 磁性研究室, 研究員 (00195257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田巻 明 東京電気大, 応用理化, 助教授 (30197561)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ドハース=ファンアルフェン効果 / 重い電子系 / セリウムプニクタイト / 半金属 |
Research Abstract |
ヘビーフェルミオン物質における伝導電子の有効質量を直接測ることのできるドハース=ファンアルフェン(dHVA)効果の観測は、その発生機構に関して重要な手がかりを与える。ただし、厳しい量子条件(Wct》1、hWc》kt)を満足させるためには純良単結晶及び、極低温、強磁場下での測定が必要となり、結晶作製及び、測定法の開発が急がれている。本年度我々は、東北大学に設置予定の大型超伝導磁石と大型希釈冷凍機に組込む予定の感知コイル、試料回転系及び、高感度前置増幅器の開発を担当した。上記の設備は現在建設途上にあるので、主に我々は既存の超伝導磁石(最大磁場12.5テスラ)を用い、1.3Kまで温度可変のクライオスタット、dHVA効果測定装置の建設及び、予備実験を行った。変調コイルを極低温度下の試料槽に入れた従来の方式の場合、コイル自身による発熱とクライオスタット内壁の金属部分での渦電流損失による発熱のため、大きな変調磁場の印加が制限されていた。新設計のクライオスタットでは変調コイルを断熱槽で覆われた試料槽の外側、液体ヘリウム部分に配置し、試料槽の内壁は総て樹脂製としたため、問題の発熱は大幅に抑えられる様になった。微小空間試料回転に関しては試料空間が直径30mm程度の場合にはラック、ピニオン方式で十分であったが、今後希釈冷凍機内の直径20mm以下の狭い空間に取り付けるには渦巻型ギヤを採用したい。また微弱信号の前置増幅を従来の熱雑音の高い室温をやめて低温で行うために、GaAs-FETを用いた信号増幅装置の開発は今後も続ける。さらに磁場変調法の特徴であるフィルター効果を利用した微小信号成分の増幅も次年度の課題である。なおこの研究の成果の一部は、1988年7月にフランクフルトで行われた国際会議(ICCF6)において発表された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)