Project/Area Number |
63635501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
半田 宏 東京大学, 医学部, 助教授 (80107432)
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Project Period (FY) |
1988 – 1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | チトクロームP-450C / メチルコラントレン / 無細胞転写系 / アデノウイルスEIA遺伝子 / プロモーター / 欠損変異株 / エンハンサー |
Research Abstract |
チトクロームP-450Cはメチルコラントレンで誘導発現され、その誘導発現はアデノウイルスE1A蛋白質で抑制される。本研究の目的はそれら発現制御機構を無細胞転写系を用いて分子レベルで解明することである。メチルコラントレン処理および未処理HeLa細胞から核抽出液を作製し、この核抽出液とチトクロームP-450C遺伝子野生株および欠損変異株のプロモーター領域を含むプラスミドDNAと基質(NTP'S)からなる反応液で試験管内でRNAを合成する。RNA量はプロモーター活性に応じて合成されるので、転写活性に必要なDNA上の部位(塩基配列)を固定することで出来る。この系を用いて得られた結果は(1)チトクロームP-450C遺伝子の転写開始部位より上流6300塩基対を含んだプロモーターでは、メチルコラントレン処理したHeLa細胞核抽出液の方が未処理のものと比べて数倍高い活性が得られた。このことは試験管内で行う無細胞転写系でもメチルコラントレン処理によるチトクロームP-450C遺伝子の細胞内誘導発現が完全ではないにしろ部分的に見られることを示唆する。(2)5^´上流域における一連の欠損変異株の転写活性を検討すると、-44塩基対まで欠損すると転写活性は極端に下がるが、-55塩基対までのものでは転写活性は野生株と同程度にまで保存されており、更にメチルコラントレンによる転写促進も起こる。これらのことから無細胞転写系で制御機構が解析出来るのは-55塩基対までに存在する塩基配列が関与する誘導発現で、それら以外のエンハンサー等の関与は現時点では解析出来ないことがわかった。今後、この系を改良し、エンハンサー効果も見られる無細胞転写系を確立するとともに、アデノウイルスEIAによる転写抑制機構を明らかにするつもりでいる。
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