シナプス形成に関するモノアミン神経の機能形態学的研究
Project/Area Number |
63638003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
木村 宏 滋賀医大, 医学部, 助教授 (40079736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 育夫 滋賀医大, 医学部, 助手 (20207533)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | シナプス / 可塑性 / 神経回路 / セロトニン / 生後発育 / 視覚野 / 体性運動野 / バレル構造 |
Research Abstract |
成熟脳では神経伝達物質として作用するモノアミン系物質が、シナプス形成期においてはその選択的結合に重要な役割を果たすという仮業仮説を実験形態学的に検証するのが本研究の目的である。この第一段階としてセロトニン神経のラット大脳皮質における支配様式が生後発育とともにどのような変遷を示すかを免疫組織化学的に調べ、体性運動野および視覚野における態度を比較考察した。 ラット脳内セロトニンは胎生期16日目ではやくも大脳皮質に侵入を開始する。この時期における皮質原基は上衣細胞から遊走してくる神経芽細胞が重層し未だ明確な層構築を形成していない。生育とともに大脳皮質の構築が明確になるが、その変遷に応じセロトニン神経軸索も急速に増大する。このセロトニン線維密度の増大は生後になって層構造の形成とは一見して無関係に思われる。しかし、体性運動野において第4層の顆粒細胞層が作られる幼若ラット7日目で、セロトニン神経の微細な終末が第IV層に一致して集積する。非常に興味深いことには、この集積は成熟ラット脳におけるバレル構造と酷似している。ところが成育がさらに進み8、9、10日と日を追って調べると、このセロトニン神経終末の集積は消失してゆく。電顕による観察では、この集積終末の散布化は第4層顆粒細胞の突起伸長に一到して生じる移動であることが推定される。一方、視覚においては、体性野とよく似た変遷が生じるものの、生後日数には大巾な相違点がある。すなわちセロトニン集積が明瞭に顕在化するのは15〜17日目においてである。この時期に丁度ラットは眼瞼開裂するので、何らかの視覚刺激と関連するという可能性が浮かぶ、しかし、予め生直後に片眼あるいは両眼を摘出したラットでも同等な現象が認められることから、この可能性が否定された。おそらく外側膝状体からの2次視覚路からの皮質内シナプス形成をセロニトンが調節するのだろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)