Project/Area Number |
63639508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
黒田 行昭 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系・形質遺伝研究部門, 教 (40000228)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | キイロショウジョウバエ / 培養細胞 / 遺伝子導入 / 形質発現 / 筋肉細胞 / 神経細胞 / 伴性劣性致死 / 胚発生 |
Research Abstract |
キイロショウジョウバエの伴性劣性致死突然変異は、特定遺伝子座の欠損によって胚発生の特定の時期に、特定の細胞、組織の機能が障害を受け、それによって個体死となるものが多い。本研究では、このような伴性劣性致死突然変異のうち、体外培養した胚細胞で顕微鏡下でその障害の検索が可能なものを使用して、その障害が野生型のDNAによってどのように回復されるかをしらべることを目的とする。このため、筋肉細胞の融合による合胞体の形成に障害がみられるdor(deep orange;1F1-2A2)や、神経細胞の神経繊維の伸長や合胞体の形成に障害のみられるfu(fused;17D-E)を用いて、これら致死胚の細胞を体外培養し、これに野生型より抽出したDNAを取込ませ、筋肉細胞や神経細胞の障害が正常に回復するかを体外培養条件下でしらべた。これまでのところ、dor胚から培養した筋肉細胞の合胞体形成の障害は、野生型の胚から抽出したタンパク質を培養液に加えることによって回復されることが確かめられた。致死遺伝子ホモ(dor/dor)の雌に、野生型(+/+)の雄を交配したF_1の各発生時期の胚から抽出したタンパク質では、受精後5時間の襄胚形成期およびそれ以後の頭および胸部体節期(受精後8時間)や筋肉運動期(受精後14時間)の胚から抽出したタンパク質は、dor胚の筋肉細胞の障害を回復させたが、胞胚形成期(受精後3時間)の胚からの抽出タンパク質は効果がなかった。したがって、野生型の精子によってもたらされたDNAが、受精後正常発生の襄胚形成期以後にmRNAを経て、タンパク質に翻訳され、活性を発現していると考えられる。そこで今後さらに、胚発生の種々の時期の胚からDNAやmRNAを抽出し、これらをdor胚の培養筋肉細胞に取込ませて、筋肉細胞の融合に関与するタンパク遺伝子が、胚の発生のどの時期にmRNAに転写され、タンパク質に翻訳されるかを検索する研究を進めている。
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