TSHおよびATPによる甲状腺細胞の機能制御におけるGTP結合タンパク質の関与
Project/Area Number |
63641504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
近藤 洋一 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (70008598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正 公枝 群馬大学, 内分泌研究所, 教務員 (40201561)
岡島 史和 群馬大学, 内分泌研究所, 助教授 (30142748)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 培養甲状腺細胞 / ATP / プリナージック受容体 / TSH / アデノシン / G-タンパク質 / IGF-I / ホスホイノシタイド |
Research Abstract |
甲状腺細胞では各種の細胞外シグナルに対する受容機構があるが、細胞膜上のシグナルトランスダクション機構について、特にホスホイノシタイド-Ca系(PI系)についてはほとんど知られていない。これは、TSHによるこの系の活性化がきわめて弱く、そのほかのシグナルでもあまりよい実験系が作られていなかったためでもある。我々は先にラット甲状腺細胞株FRTL5を用い、ATPがP_2プリナージック受容系(P_2R)を介してPI系を著しく促進することを発見した。本研究では甲状腺PI系の活性化に関わる各種受容系を比較し、さらに、シグナルトランスダクション機構の新しい作用形式を発見した。1)TSH依存性の増殖を行なうこの細胞ではP.I系の活性化はATP>ノルエピネフリン(NE)>TSHの順に弱くなる。培養液からTSHを除いて培養を続けると、ATPによる活性化は変化しないが、NEによるそれは消失し、TSHによるものは著しく増大する。TSHに対するレスポンスの変化は培養液中の血清成分に依存し、血清成分の効果はIGF-I+ハイドロコーチソンで置き換えられる事を発見し、各受容系がそれぞれ特異的に外来性シグナルにより変動することを明らかにした。2)プリン誘導体の内アデノシンはPI系を活性化しないがcAMP系を阻害する。この阻害活性は百日ぜき毒素(PT)感受性G-タンパク質(GI=G_1またはG_1、様Gタンパク質)の関与を示す。GTPはPI系を中程度に活性化するがcAMP系への影響はきわめて低い。ATPは両方の活性を持ちPTで一部抑制される。ところがGTPのPI系活性化はアデノシンで著しく増大し、その増加分のみPT感受性となり、一見ATP様の作用を示す。このような非PI活性型アゴニストのPI活性化における許容効果はGIの新しい作用形式と考えられ、ATPの場合もcAMP阻害系を介して、自らのPI促進系に許容効果?をかけている可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)