Project/Area Number |
63641537
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
立花 政夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (60132734)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 網膜 / 視細胞 / グリア細胞 / 化学伝達物質 / グルタミン酸 / アミノ酸輸送 |
Research Abstract |
グルタミン酸に対する網膜視細胞とミュラー細胞(網膜グリア細胞)の応答を調べた。本補助金で購入したインキュベータ内で網膜組織をパパインと反応させて細胞間結合を弱めたのち、機械的に細胞を単離することによって、神経回路を介する間接的な影響を除外した。グルタミン酸応答はパッチ電極プラーで作製した電極を用いて膜電位固定条件下あるいは膜電流固定条件下で解析した。 1.カメ網膜から得た視細胞は、桿体及び3種類の錐体いずれも、L-グルタミン酸を投与すると脱分極した。グルタミン酸に対する感受性は軸索終末部で最も高かった。L-及びD-アルパラギン酸も視細胞に応答を引きおこしたが、カイニン酸・キスカル酸・NMDA・D-グルタミン酸は無効であった。グルタミン酸応答はキヌレン酸によって影響を受けないがアミノ酸の取り込み阻害剤によって減少した。応答の発生にNaイオンは必須であり、コリンやLiイオンで置換すると応答は可逆的に消失した。応答電流-電圧関係は非線形で強い内向き整流を示し、応答は負の膜電位で内向きで、OmV付近で消失し、更に脱分極しても僅かに反転する程度であった。このような性質から、視細胞のグルタミン酸応答は電位発生性のグルタミン酸取り込み機構(グルタミン酸:Na=1:3)の活性化によるものと考えられる。ただし、応答はノイズの増大を伴っているので、グルタミン酸チャンネルも視細胞に共存している可能性は否定できない。 2.サンショウウオ網膜から得たミュラー細胞もグルタミン酸で脱分極した。応答の性質は、1で述べたカメ視細胞のグルタミン酸応答の性質に非常によく類似していたが、ミュラー細胞では応答にノイズの増大を伴わない点が異なっていた。従って、ミュラー細胞のグルタミン酸応答は純粋に電位発生性の取り込み機構によるものと考えられる。
|