Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本年度は、前年度までの研究に引き続き、連星中性子星合体のニュートリノ輻射流体シミュレーションを行った。最近発見された連星パルサーJ0453+1559は、太陽質量の約1.2倍と1.6倍の中性子星からなるが、このような大きな質量比を持つ連星はこれまで発見されておらず、したがって合体過程の研究も行われていなかった。そこで、本研究では、このような高い質量比を持つ連星(太陽質量の1.25倍と1.55倍、および1.25倍と1.65倍)を初期条件とした。中性子星の状態方程式としては、SFHo と呼ばれる比較的柔らかい状態方程式を採用した。いずれのモデルにおいても、潮汐相互作用による質量放出が卓越するため、放出物質は主として連星軌道面方向に集中しており、またその組成はきわめて中性子過剰度であった。一方、子午面方向には、ニュートリノと物質の相互作用によって中性子過剰度がやや小さくなった放出物質が認められたが、その総質量は潮汐相互作用によるものよりも十分に小さかった。これは、連星質量が大きく、合体後すぐにブラックホールが形成されるため、ニュートリノ放射領域がブラックホールに飲み込まれ、ニュートリノ光度が下がってしまうためである。放出物質の総量は、太陽質量の1%程度であった。質量比が大きいほど潮汐相互作用によって放出される冷たい (従ってニュートリノ相互作用の影響を受けない) 中性子星物質の割合が増えるため、より中性子過剰の物質が放出されると予想されていたが、本研究によってその定量性を明らかにすることができた。本研究課題で得られた一連の結果によって、放出物質の時間進化を背景場として元素合成計算を行い、現在観測によって示唆される連星質量比分布によって、太陽組成が再現されるかどうかについて調べることが可能となった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2016 2015
All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 7 results, Acknowledgement Compliant: 5 results) Presentation (14 results) (of which Int'l Joint Research: 8 results, Invited: 9 results)
Physical Review D
Volume: 93 Issue: 12 Pages: 124046-124046
10.1103/physrevd.93.124046
Volume: 94 Issue: 2 Pages: 021501-021501
10.1103/physrevd.94.021501
Volume: 93 Issue: 6 Pages: 064082-064082
10.1103/physrevd.93.064082
The Astrophysical Journal
Volume: 818 Issue: 1 Pages: 96-96
10.3847/0004-637x/818/1/96
Volume: 92 Issue: 12 Pages: 124034-124034
10.1103/physrevd.92.124034
Volume: 92 Issue: 6 Pages: 064034-064034
10.1103/physrevd.92.064034
120005690189
Volume: 810 Issue: 2 Pages: 115-115
10.1088/0004-637x/810/2/115