Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
低周波低温大気圧プラズマを生体に照射すると、様々な生体組織からの応答が認められ、プラズマの医療への応用が行われている。しかし、細胞応答の機構はほとんど明らかにされていない。本研究は、多能性を持ち、生体を構成するすべての細胞へと分化する胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いて、プラズマ照射が正常な細胞の分化に与える影響を明らかにすることを目的としている。本年度は、プラズマ照射培地に生じるNO2-、NO3-濃度の計測とそれが与えるマウスES細胞の分化への影響を検討した。60秒のプラズマ照射により、培地中にNO2-とNO3-が合計して2 μM生成された。Diethylenetriamine nitric oxideを培地に加え、対応する濃度の活性窒素種を培地中に発生させ、胚様体(EB)を形成させて検討を行った。EBの大きさや形態には変化がなく、これらの活性窒素種は、EBの増殖には関わらないことが分かった。さらに、分化マーカーの発現を検討した所、中胚葉と内胚葉の分化が促進された。前年度までの解析で、プラズマ照射培地では、EB形成に際し、中胚葉と内胚葉の分化が阻害され、これが、H2O2以外の活性種によるWntシグナルの阻害に起因することが分かっている。本年度の解析から、この原因となる活性種は、NO2-とNO3-でないことが明らかになった。加えて、ヒトiPS細胞に与える効果も検討した。プラズマ照射がシグナルに影響を与え、ヒトiPS 細胞の未分化性維持に影響することがわかった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results, Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 4 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)
Plasma Medicine
Volume: 印刷中
J. Phys. D: Appl. Phys.
Volume: 49 Issue: 16 Pages: 165401-165401
10.1088/0022-3727/49/16/165401