Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
超原子価ケイ素中間体の反応性を利用することにより、これまで選択的に合成することのできなかったシス-α,β-不飽和スルホンの合成法の確立を行うことを目的とした。平成26年度はケイ素α位アニオンの構造を固定するためキレーション構造をとることのできるアルコキシ基をケイ素原子に導入した試薬の開発を行い、平成27年度はさらにキレーション能力の高い試薬の開発を行い種々のアルデヒドからシス-α,β-不飽和フェニルスルホンの選択的合成に成功することができ論文を発表した。今年度は、さらに反応の一般性を示すためにフェニルスルホンだけでなく置換フェニルスルホン試薬とアルキルスルホン試薬も合成し、種々のアルデヒドとの反応を行った。置換フェニルスルホン試薬ではフェニル基置換基による立体選択性への効果が若干見られたが、いいずれも高いシス選択性でα,β-不飽和アリールスルホンを得ることに成功した。次にメチルスルホン試薬も合成し同様に反応を行おうとしたが、反応の最適溶媒への試薬の溶解度が低いために選択性の低下がみられた。溶解度が高いと考えられるイソプロピルスルホン試薬では、フェニルスルホン試薬の場合と同様に反応を行うことができ高いシス選択性が得られることが分かった。これらの結果は現在論文執筆準備中である。反応機構解析のため低温NMR実験を行ったが中間体の検出には成功せず、超原子価ケイ素中間体は中間体ではなく遷移状態構造であると現在は考えている。本研究で我々の開発した新規Peterson試薬をLiHMDS処理したアニオンのNMRスペクトルからキレーション構造をとっていることが示唆され、キレーション構造を用いた理論計算による反応機構の解析を現在行っているところである。さらにここで得られた手法を用いてシス-α,β-不飽和スルホネートやスルホンアミドの高選択的合成にも成功した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Phosphorus, Sulfur, and Silicon and the Related Elements
Volume: 192 Issue: 4 Pages: 454-463
10.1080/10426507.2016.1248763
Synlett
Volume: 26 Issue: 10 Pages: 1371-1374
10.1055/s-0034-1380521
Organic Letters
Volume: 17 Issue: 10 Pages: 2554-2557
10.1021/acs.orglett.5b01049
Volume: 17 Issue: 24 Pages: 6026-6029
10.1021/acs.orglett.5b03008
http://www1.gifu-u.ac.jp/~ando_ap/