Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
前年度までに、リン原子を用いたおわん型分子の合成とそれらを用いた一次元集積体の構築を行った。今年度は、おわん型構造に限定せず、U・S字型、らせん型など多様な曲面構造の化合物を合成し、その機能を探索した。リン原子1つを共役系に組み込むことによって、曲面構造を取ることができる。リン原子を2つにすると、リンの立体により2つの異なる曲面構造を取りうる(syn, anti異性体)。syn体はU字に曲がった構造を取り、anti体はS字に曲がった構造を取る。2つの異性体の蛍光スペクトルを測定すると、syn体はanti体に比べて50 nmもの赤色シフトを示した。また,syn体の蛍光量子収率が0.75であったのに対し,anti体は0.15と著しく小さくなった。蛍光寿命,一重項-三重項間交差効率を求めたところ,syn体はanti体に比べ項間交差しやすいため,蛍光量子収率が低くなっていることが示唆された。前年度に開発した、リン原子を中心に酸素と硫黄原子を架橋部に有するおわん型分子を用いて、ヘリセン型分子が得られることを見いだした。2つの酸素原子と1つの硫黄原子で架橋されたおわん型分子を基質とし、パラジウム触媒と末端アセチレンとの反応を行ったところ、C-S結合が切断されて、薗頭カップリング反応が進行した。おわんの架橋部であるC-S結合が切れることで、分子構造はらせん型となった。おわん型分子かららせん型分子を得る反応例はほとんどなく、曲面π共役系の新規合成手法として興味がもたれる。また、合成したらせん型分子はNMRのタイムスケールに相当する速度でらせん反転し、その反転障壁はヘリセン[6]に比べて小さかった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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