Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究の目的は、「京」コンピュータを用いた大規模シミュレーションを軸として、銀河系の暗黒物質位相空間分布を従来よりも格段によい精度で明らかにし、ダークマター検出のための知見を得ることである。2016年度は2015年度に進めた、粒子数5500億、領域 800pc の超大規模宇宙論的N体シミュレーションの解析を進めた。最小の暗黒物質原始ハローが合体してできる、それより数千~数万倍の大きさのハローの構造形成進化史を定量化し、これらハローがサブハローとして、自身より大きいハローの中に存在する場合の内部構造や空間分布を調べた。まずこれら小スケールのハロー同士の合体頻度を定量化した。合体頻度の質量依存性や合体の質量比依存性が、質量で10桁以上異なるにも関わらず、銀河から銀河団スケールのシミュレーションから得られたものと矛盾しないことがわかった。また小スケールハローがサブハローとして存在している場合、孤立したハローとして存在する同じ質量スケールのハローと比較すると、密度プロファイルの羃が平均的にはわずかにゆるやかで、中心集中度は高い傾向にあることがわかった。さらにサブハロー質量関数を表すフィッティング関数を得た。これらの結果を銀河系スケールまで外挿し、銀河ハローにおける全質量スケールにわたるサブハローの分布を定量化した。暗黒物質対消滅によるガンマ線フラックスを評価したところ、古典的な見積もりに比べフラックスは最大倍程度大きくなることがわかった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2016 2015
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results, Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results)
The Astrophysical Journal
Volume: 826 Issue: 1 Pages: 9-9
10.3847/0004-637x/826/1/9
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
Volume: 461 Issue: 3 Pages: 3385-3396
10.1093/mnras/stw1551