Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
複数の分子が集積して形成される超分子は、分子単独では見られない協同的な機能を発現しうる。本研究では、4つの曲面分子をパネルとした正四面体型の超分子ホストの光機能探索を検討してきた。正四面体の内部空孔にはゲスト分子を内包することができる。本年度は、内部にフラーレンC60をゲストとして包接した正四面体型ホストの光線力学療法としての応用を検討した。光線力学療法は、光を用いて活性酸素を発生させ、特定の患部を選択的に治療することができる手法である。C60は極めて効率的な光増感能を有することから、光線力学療法に有用とされているが、その溶解度の低さが応用のネックとなっている。正四面体型ホスト分子にC60を内包することで、光線力学療法に利用できると考えた。実際にC60を内包したホスト分子を生細胞を含む培地に加え、光照射を行うとほとんど細胞が死滅した。ホスト分子を加えずに光照射しても、細胞死はほとんど起きないことから、ホスト分子が機能していることが分かった。光照射により発生した活性酸素種を、トラップ実験により調べたところ、スーパーオキシドが生成していることを明らかにした。また、C60だけでなく様々なフラーレン誘導体を内包したホスト分子の合成も検討した。N-メチルピロリジンを1つまたは2つ置換したC60を内包したホスト分子を合成、単離することができたが、内部空孔のサイズが限られており、より大きなサイズのゲスト分子を内包することはできなかった。このことから、ホスト分子はサイズ選択的にゲスト包接できることがわかった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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