Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
アゾベンゼンなどのフォトクロミック液晶部位を有する架橋液晶高分子(光運動材料)は,光照射により様々な三次元運動を示すため,遠隔操作可能なアクチュエーターとしての利用が期待されている。従来の光運動材料は一光子吸収過程に基づいており,高濃度クロモフォア系では試料表面近傍のみで光吸収が起こる。光運動材料に二光子吸収過程を適用することができれば,バルク内部のフォトクロミック分子の異性化による発生応力の向上や,励起部位の三次元的な選択による精密駆動が期待できる。本研究では,二光子で駆動する架橋液晶高分子の開発をめざした。二光子吸収クロモフォアとしてスチルベン誘導体,フォトクロミック液晶部位としてアゾトラン誘導体を用い,エネルギー移動型架橋液晶高分子を作製した。アゾトラン液晶モノマーと,スチルベン誘導体を含むドデシルメタクリレートを逐次的に重合・架橋して相互侵入高分子網目構造(IPN)を形成することにより複合化を行った。IPNフィルムにフェムト秒レーザーを照射すると,フィルムは光源方向へ屈曲した。これは,試料表面近傍においてスチルベンが二光子励起されてアゾトランへエネルギー移動し,アゾトランのトランス-シス異性化が起こるためであると考えている。二光子駆動においてはレーザーの照射スポットサイズが100ミクロン程度であるにも関わらず,フィルムのマクロな屈曲が生じた。このことは,一光子駆動の場合に比べて局所的な変形が大きいことを示している。二光子駆動では試料表面のみならずバルク内部のアゾトランも変形に寄与するために大変形が起こると推察している。以上のように,スチルベンと架橋アゾトラン液晶高分子の複合化により二光子で駆動する高分子光アクチュエーターの開発に成功し,光アクチュエーター駆動の高分解能化を可能にした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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J. Mater. Chem. C
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130005434698
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10.1080/15421406.2015.1075826
http://www.chem.chuo-u.ac.jp/~ikedalab/index.html