Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
シリア及び中心体は、様々な細胞において重要な役割を担っていることが知られている。胎生期の脳において、シリア中心体が神経幹細胞や新生ニューロンの動態を制御することが示唆されているが、その意義や制御メカニズムについては未だ多くの点で不明である。我々は、成体脳でニューロン新生が生じている脳室下帯に着目し、上衣細胞のシリア形成(Development 2010)や新生ニューロンの中心体動態の調節(Nat Neurosci 2012; Nat Commun 2014)について報告してきた。本課題では、モデル動物としてゼブラフィッシュとマウスを用いて、成体脳のニューロン新生における中心体及びシリアの動態及び制御メカニズムを明らかにすることを目的とし、実験を計画した。まず、ゼブラフィッシュを用いて、神経幹細胞のシリア中心体について経時的変化を解析した。その結果、成魚の脳室面は一次繊毛を持つ神経幹細胞で構成されていたが、老魚では多繊毛を持つ細胞に変化していることが分かった。多繊毛を持つ細胞の特徴をさらに解析するために、電子顕微鏡解析及びライブイメージングを行った結果、この細胞は上衣細胞の特徴を有しており、多数の繊毛が協調的に運動して液流を発生させることが分かった。マウスでは上衣細胞が出生直後に出現することから、神経幹細胞から上衣細胞への分化は種間を超えて保存された現象であり、その時期が種によって異なることが示唆された (J Comp Neurol 2016)。次に、マウスの新生ニューロンのシリア中心体について解析するために、移動中の新生ニューロンにおけるシリア及び中心体の細胞内分布や特性と足場との関係を、正常脳及び傷害脳を比較しながら評価した。以上の実験から、成体脳のニューロン新生の様々な局面において、中心体やシリアの動態が重要な役割を担う可能性が示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2017 2016 2015 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 4 results, Acknowledgement Compliant: 4 results) Presentation (35 results) (of which Int'l Joint Research: 7 results, Invited: 12 results) Book (7 results) Remarks (2 results)
EbioMedicine
Volume: 16 Pages: 195-203
10.1016/j.ebiom.2017.01.005
120006626426
J Neurochem
Volume: - Issue: 6 Pages: 835-847
10.1111/jnc.14002
10018687194
PLoS One
Volume: 11 Issue: 10 Pages: 1-18
10.1371/journal.pone.0164418
Archives of Toxicology
Volume: 不明
Journal of Comparative Neurology
Volume: 不明 Issue: 15 Pages: 2982-2992
10.1002/cne.24001
Neurochemical Research
Volume: 41 Issue: 1-2 Pages: 222-230
10.1007/s11064-015-1766-z
Frontiers in Cellular Neuroscience
Volume: 9
10.3389/fncel.2015.00146
http://k-sawamoto.com/