Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、インフルエンザウイルスの感染コンピテンシーを規定する因子の同定をその機能解析を行うことを目的に研究を進めている。これまで我々は、インフルエンザウイルスの細胞内取込において、カルシウムシグナルが重要であることを報告しており、本研究では細胞膜に存在するカルシウム制御に関与する分子に着目して研究を行っている。昨年度までに、ある細胞膜タンパク質がその制御に重要であることを見出した。この因子のノックダウンおよび薬剤での阻害によって、インフルエンザウイルス感染時のカルシウム応答は完全に抑制され、またプラークアッセイを用いた実験においてもインフルエンザ感染を強く抑制した。また、この分子の発現量とウイルス感染効率に強い相関があったことから、当該因子がウイルスが宿主細胞への感染過程において重要な役割と担っているおり、ウイルス感染コンピテンシーの規定因子の1つであるという観点から研究を進めた。この因子はウイルス粒子のHAタンパク質と結合することが昨年までに明らかとなっていたため、当該因子のC末端細胞表面部位に存在するシアル酸化の標的になるアスパラギンをグルタミンに置換した変異体を作製した。変異体とHAの結合は野生型のそれと比べて減少していた。また、当該因子をノックダウンした細胞に野生型を戻すと、細胞内カルシウムの上昇とインフルエンザウイルス粒子の取り込み、インフルエンザ感染の全てが回復したが、変異型の発現を戻しても回復効果は認められなかった。以上から、シアル酸を介した当該因子とウイルス粒子の結合が、ウイルス感染時のカルシウム動員と粒子の取り込み、その後の感染成立に重要であることが示された。本研究成果は学術雑誌に投稿中である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2017 2016 2015
All Journal Article (13 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 13 results, Open Access: 12 results, Acknowledgement Compliant: 3 results) Presentation (26 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 9 results) Book (2 results)
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.
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