Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
脂肪肝における再生障害は、脂肪肝での術後合併症や非アルコール性脂肪肝炎の発症と密接に関与している。脂肪肝再生障害は、再生過程における肝細胞死の亢進により引き起こされることが知られ、軽度脂肪肝ではアポトーシス、高度脂肪肝ではネクローシスが増強する。様々なストレスに対し共通する生体応答として、eIF2αリン酸化を介した統合的ストレス応答が知られている。代表者は、肝臓の再生・代謝の制御メカニズムの解明に取り組み、その過程で、統合的ストレス応答の増大に応じ、脂肪肝再生過程で、肝小葉内に散在する細胞死の増加とともに、広範な壊死巣が出現することを明らかにしている。また、統合的ストレス応答増強による肝細胞死の増加が転写因子CHOP依存的である事、肝再生過程で壊死巣の出現と肝臓TNFα・RIP3発現と相関する事を見出している。そこで、本研究では、統合的ストレス応答に伴う脂肪肝再生過程での細胞死制御メカニズムの解明を目的としている。本年度には、脂肪肝において、統合的ストレス応答を引き起こす肝臓炎症が、迷走神経制御異常により誘導されることを報告している。迷走神経切除モデルでは切除後肝再生障害が起こることが知られているが、脂肪肝マウスモデルでは、迷走神経活動の変動が消失し、慢性的な活性抑制状態である可能性を見出している。また、統合的ストレス応答において活性化される転写因子が、RIP3発現誘導に重要な役割を担うことも明らかにしている。当該転写因子のノックアウトモデルでは脂肪肝において、肝再生障害が軽減し、再生過程のアポトーシスは残存するものの、RIP3依存性のネクローシスが消失する。これらの知見は、統合的ストレス応答に伴い、RIP3依存性細胞死が、CHOP依存性アポトーシスとは異なるメカニズムで誘導される可能性を示唆している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://inoue.w3.kanazawa-u.ac.jp/about.html