Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
マクロファージは単球から分化する細胞で、腫瘍にはM1マクロファージとM2マクロファージが集積し、特にM2マクロファージは腫瘍の成長に有利な環境を構築する。我々は、これまでに活性酸素感受性チャネルであるTRPM2欠損 (KO) マウスでは、腫瘍の成長が抑制されることを見出している。そこで、平成28年度は、TRPM2チャネルの役割に焦点を当て研究を行った。野生型 (WT) マウスとTRPM2 KO マウスの骨髄より調製した単球をマクロファージ (M0)に分化させ、そのM0マクロファージを種々の条件に暴露することによるM2マクロファージへ極化を検討した。WTマクロファージにおいて、IL-4の添加、マウス肺がん細胞の培養上清の添加または低酸素暴露により、M2マクロファージへの極化が認められた。そこで、WTマクロファージとTRPM2 KO マクロファージで比較実験を行ったが、いずれの実験条件でも差は認められなかった。TRPM2は、活性酸素感受性チャネルである。そこで、さらに過酸化水素の添加実験を行ったが、WTマクロファージのM2マクロファージへの極化は認められなかった。以上の結果より、M0マクロファージのM2マクロファージの極化には、TRPM2の関与はないとの結論に至った。我々は、近年TRPM2活性の阻害物質としてtyrphostin AG関連化合物を見出している。そこで、ヒト単球系細胞株U937細胞を用いて、過酸化水素刺激によるTRPM2を介したサイトカイン分泌及び細胞死に対するtyrphostin AG関連化合物の効果を検討した。その結果、tyrphostin AG関連化合物はサイトカイン分泌を抑制するが、細胞死には影響しないことが明らかとなった。Tyrphostin AG関連化合物は、活性酸素感受性チャネルTRPM2の機能解析に有用であると考えられる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2017
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results)
Journal of Pharmacological Sciences
Volume: in press Issue: 1 Pages: 68-74
10.1016/j.jphs.2017.05.001