Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
腸上皮幹細胞(ISC)に焦点を当て、幹細胞競合の存在の有無とその分子基盤を明らかにすることを目的とした。平成27年度の結果を踏まえ、H28年度は、beta-NF誘導性にCreを発現するLgr5-EGFP-KI/Ah-Cre/Atg5-flox/R26R-IsI-tdTomatマウスを用いて腸幹細胞競合モデルの構築を行った。in vivoに低濃度(0.4mg)のbeta-NF投与1週間後にモザイク状のISCが誘導されたことから、tdTomato陰性ISCとtdTomato陽性ISCを精製してAtg5遺伝子の発現を比較したところ、前者と比べ後者でAtg5が数分の1に低下していた。幹細胞競合現象を観察するため、0.4mgのbeta-NF投与1ヶ月後に同様の検討を行ったところ、モザイク状のISCは観察されたものの、tdTomato陽性ISCでもtdTomato陰性ISCと同等のAtg5遺伝子発現が観察された。この結果は、beta-NF投与後に一部のtdTomato陽性ISCでAtg5が正常なものが残存しており、1ヶ月後に当該tdTomato陽性ISCが優位になった可能性を提示していた。この可能性を証明するため、in vivoに高濃度(1.6mg)のbeta-NF投与1ヶ月後に、tdTomato陰性ISCとtdTomato陽性ISCを精製して(高濃度のbeta-NF投与では、tdTomato陽性ISCのAtg5レベルは低下したまま)、両者をさまざまな比率で混合しオルガノイド培養を行った。その結果、培養8日後にいずれの比率でもtdTomato陰性ISCが多数を占める結果となった。これらの結果から、ex vivoではあるが、Atg5を正常に発現するISCとAtg5欠損ISC間で細胞競合現象が起こり、前者が勝者、後者が敗者となることが示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biol Blood Marrow Transplant 2015
Volume: 印刷中 Issue: 4 Pages: 627-636
10.1016/j.bbmt.2015.12.018
Mucosal Immunology
Volume: 8 Issue: 1 Pages: 152-160
10.1038/mi.2014.53
Cell Reports
Volume: 111 Issue: 1 Pages: 71-84
10.1016/j.celrep.2015.02.066
http://www.tmd.ac.jp/mri/bre/index.html