Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
1)試料調製と結晶化: 本研究では、最近我々が見つけたヘモグロビンの四次構造変化を許容する結晶[Shibayama N. et al. (2014) JACS 136, 5097]を用いる。この結晶中には構造の異なる独立な3分子のヘモグロビンが存在し、溶液条件やヘムのリガンド状態に依存して各分子が4次構造変化することが知られている。結晶化に用いる試料は、COが2個結合した金属置換架橋混成ヘモグロビンである。置換金属としては、デオキシヘムのモデルとなるニッケルヘムを使用する。更に、二量体交換反応を防ぐ目的で、四量体の対称な部位に位置する2個のβ鎖82番リジン間にフマル基の架橋を架ける(ヘモグロビンの構造と機能に影響を与えない現在唯一の架橋法)。研究代表者が開発した試料調製法でこの金属置換架橋混成ヘモグロビンを調製し、結晶化した。2)動的構造解析: アニオン無しPEGのみの条件で作製したこの構造可変結晶にリン酸、bezafibrate(BZF)を溶液置換法で浸透させ、誘起される結晶中ヘモグロビン分子の構造変化を顕微分光で直接追跡した。摂動に用いた溶液条件は以下の4種類である、1)10mMリン酸(pH6.9)、2)80mMリン酸(pH6.7)、3)4mMBZF(pH7.2)、4mMBZF(pH6.5)。各条件の結晶中ヘモグロビンの構造変化の大きさ、速度(平衡に達するまでの時間)を分光測定から決定した。また、これらの条件へ飛ばした4種類の結晶を液体窒素で急速冷却し、X線構造解析を行った。現在、4結晶中の12個のヘモグロビン分子に誘起された構造変化を、2量体回転角および並進移動距離、差分距離行列、温度因子分布などの構造パラメータをもとに解析している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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