Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
キセノン含有液体シンチレータを用いてニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊を探索するKamLAND-Zen実験では、検出器の極低放射線環境と拡張性において非常に優れた性能を発揮し、世界の実験を大きくリードしている。これまでの液体シンチレータ検出器は、光到達時間から再構成した位置情報のみを基にして発光点がどちらの層にあるかを区別してきたが、本研究ではこれに発光時定数の情報を加えた検出器を開発する。二重ベータ崩壊核が存在する内層に短時定数発光、外層に長時定数発光の液体シンチレータを導入し、発光時間波形の違いによって外層での発光の寄与の有無を判定する。これまでの研究で大型の検出器において使用実績のあるプソイドクメン(PC)とリニアアルキルベンゼン(LAB)をベースとした液体シンチレータを比較して、発光時定数に違いが現れることを確認している。シンチレーション光に対する吸収・再発光や散乱の効果を正確に評価するため、発光時間波形・波長情報と散乱角度を同時に測定する光学パラメータ測定装置を製作した。暗室内部で角度依存性を自動スキャンするため、遠隔制御のロータリーステージを用いている。LABベースの液体シンチレータを用いて、波長360 nmの吸収に対する再発光確率、及び長波長(> 400 nm)の散乱確率とその角度依存性を測定した。これらの結果を入力値とした光学シミュレーションを行うことで、正確な集光率及び発光時間波形の予測から発光点識別能を評価できるようになる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2018 2017 2016 Other
All Int'l Joint Research (4 results) Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 5 results) Remarks (1 results)
Physical Review Letters
Volume: 117 Issue: 8 Pages: 082503-082503
10.1103/physrevlett.117.082503
http://www.awa.tohoku.ac.jp/kamland/