Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
単層グラフェン(Gr)における光キャリアの高速緩和を活用した過飽和吸収や光スイッチングが検討されており、実際に素子の作製が行われている。さらなる高速動作のためには、光キャリア緩和を律速するホットフォノンボトルネックの軽減が望まれる。本研究では光キャリアと基板との相互作用による基板へのエネルギー流出に注目した。エピタキシャルGrは全面的に基板と接触しており、転写Grと比べて基板との相互作用が強いことが予想される。領域内研究グループからSiC上のエピタキシャルGrと転写Grを提供いただき、発光アップコンバージョン測定を行った。その結果、遷移エネルギー0.7 eVにおけるエピタキシャルGrの発光減衰が、転写Grのそれよりも高速であることがわかった。この結果は、観測帯域におけるエピタキシャルGrのキャリア分布がより高速に緩和することを示している。キャリア冷却のモデル計算により実験結果を再現し、Grのキャリアと基板のフォノンとの相互作用の強さを評価した。カーボンナノチューブ(CNT)に内包された分子の配列制御は、分子の集団的な機能発現や効率的な重合反応の面から重要である。一方、二次元表面へのパイ電子分子の吸着では、絶縁体基板と金属基板の違いによって分子配列が異なることが知られている。本研究ではこの知見をもとに、CNTの電子状態と内包分子の配列との関係に注目した。パイ電子分子であるペリレンを半導体的・金属的CNTに内包し、分光測定により分子配列を調べた。その結果、半導体的CNTでは分子面がチューブ軸に対して傾き、金属的CNTでは分子面がチューブ軸に対して平行であることが示唆された。領域内研究グループの第一原理計算によってこれらの配列は支持された。半導体的CNTと金属的CNTでは、ペリレンとCNTの間にはたらくファンデルワールス力の大きさが異なることにより、配列の違いは説明される。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2018 2017 2016
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results)
The Journal of Physical Chemistry C
Volume: 122 Issue: 10 Pages: 5805-5812
10.1021/acs.jpcc.8b00860
Volume: 120 Issue: 20 Pages: 11225-11229
10.1021/acs.jpcc.6b01490