Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
我々は、新たな遷移金属反応場の構築に向けてビスビピリジンルテニウム(II)部位を有する光機能性メタロホスフィン配位子[(bpy)2RuX(PPh2)] (L1, X = Cl; L2, X = PPh2; bpy = 2,2'-bipyridine) を設計した。これらの配位子を有する遷移金属錯体は、(bpy)2RuII部位の可視光MLCT遷移にもとづくフォトレドックスまたはエネルギー移動と遷移金属ホスフィン錯体の分子変換機能を融合させた新たな精密制御反応場を提供することが期待される。昨年度までに、L1およびL2を配位子とするRh, IrおよびPd錯体の合成を行った。本年度は、これらの錯体を用いた触媒反応の開発に取り組んだ。2座メタロホスフィン配位子L2の前駆体となるビスホスフィン錯体と[Rh(cod)2][BF4]をK2CO3存在下に反応させることにより、L2を有するRh錯体を合成した。一方、同様の条件で[Ir(cod)2][BF4]を反応させると、Ir(III)ヒドリド錯体が得られることが分った。Rh錯体のcod配位子をカルボニルへと置換した錯体を合成し、そのCO伸縮振動数を、対応する [Rh(CO)2(diphosphine)]+ 錯体と比較することにより、L2がアルキル二座ホスフィンであるdcype (Cy2PCH2CH2PCy2) より高い電子供与性を持つことが分かった。Ru-Ir錯体は、アルキン類のE体選択的な部分水素化反応に常温常圧で高い触媒活性を示した。アルキン類のE体選択的な部分水素化反応は、E体アルケンの原子経済的な立体選択的合成法として近年注目されている。Ru-Ir錯体は、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボニル基などの様々な官能基を有するアルキンの部分水素化反応にも高い活性と立体選択性を示した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2018 2017 2016
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (10 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 3 results)
Tetrahedron Letters
Volume: 59 Issue: 8 Pages: 697-703
10.1016/j.tetlet.2018.01.036
Organometallics
Volume: 36 Issue: 19 Pages: 3686-3691
10.1021/acs.organomet.7b00229
J. Am. Chem. Soc.
Volume: 138 Issue: 45 Pages: 14836-14839
10.1021/jacs.6b08863