Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
太陽対流層のように、恒星の自転と全球的磁場の影響をうけた系にて励起されうる波動(回転磁気流体波動)の線形解析を、研究代表者(堀)を中心に行った。特に、対流層最下部に位置するタコクラインを想定し、トロイダル磁場に貫かれた薄い安定成層中の波動に注目した。この系で典型的に現れる波動モードを調査するため、直交座標系における非圧縮浅水波モデルの解析から研究を開始した。球面上の中緯度域および低緯度域(赤道近傍)を模擬したモデルを解析し、解の分散関係や固有関数の特徴を調べた。磁場の存在によって、回転系における波動モード(慣性重力波,ロスビー波など)がそれぞれ速いモードと遅いモードに分離することを確認した。典型的には、速いモードは赤道域にその振動が顕著に現れるのに対し、遅いモードは中高緯度域にも広がった振動となる。また、赤道ケルビン波は遅いモードをもたないことがわかった。より現実の太陽に近づけ、球座標系における浅水波モデルの解析がリーズ大学にて行われた。遅いモードであっても赤道域で振動が顕著となること、遅いケルビン波モードが存在すること、極域でのみ振動が顕著となるモードが現れること等が示された。これは、系の形状や背景磁場の構造により、励起される波動が大きく影響をうけることを示唆する。SDO衛星のHMI観測装置によって得られた磁場データの集積と解析を、連携研究者(塩田)を中心に行った。SDOの打ち上げから現在に至るまでの6年分のSynoptic mapと呼ばれる太陽の自転1周ごとに合成した光球全球の磁場データをダウンロードし、太陽の緯度ごとに自己相関解析を行った。その結果緯度ごとに自転速度が異なる差動回転と共に幾つかの周期性が見られたがその原因の特定には至っていない。太陽の極域の差動回転について、SDO衛星のデータでは精度が不十分であったため、ひので衛星による太陽極域観測の解析を行った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2016 Other
All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 2 results)