Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
宇宙天気予報システムの構築に向け、太陽活動度によりダイナミックに変動するプラズマ環境と、衛星障害の原因となりうる衛星帯電現象の間の物理的相関を明らかにすることが、必要不可欠である。H29年度は、3次元の大規模プラズマ粒子シミュレーション解析を用いた広範囲のパラメータ解析により、プラズマ波動に代表される変動電磁環境が衛星帯電に及ぼす影響の特性調査を実施した。主な成果は以下の通りである。①宇宙プラズマ空間には、周波数、伝搬特性、偏波が異なる多様なプラズマ波動モードが存在する。本年度は、これらの波動特性に対する衛星電位の依存性を定量化するために、粒子モデルに基づく数値シミュレーションを用いたパラメータ解析を実施した。結果として、背景磁場に平行な波動電界成分を持つケースにおいて、衛星電位の上昇幅が大きくなることが確認された。また磁場に垂直な偏波面をもつ場合においては、右回り円偏波、かつ波動振動数が電子サイクロトロン周波数と一致する条件下で、特異的に顕著な衛星電位上昇が認められた。衛星近傍に存在する光電子の速度分布解析に基づき、この特異な電位上昇がサイクロトロン共鳴に伴う光電子加熱と、それに起因する衛星正電流の増大が原因であることを明らかにした。②科学衛星で幅広く用いられるダブルプローブ電場計測では、飛翔体から進展した、対を成すプローブ電位の差をとることで衛星帯電の影響を最小化している。しかし、ウェイク等により、衛星周辺に非対称な電位構造が形成されると、その影響は差動計測では除去されず、不要電場として観測データに混入する。本年度は、地球磁場の影響が比較的大きい電離圏プラズマ中の飛翔体後方ウェイク構造と、それがプローブ観測に及ぼす影響を調査した。結果として電子旋回運動により、非対称のウェイク構造が確認された。またそれに起因する非正弦波状の不要電場の発生を数値的に再現することに成功した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Geophysical Research: Space Physics
Volume: 122 Issue: 9 Pages: 9603-9621
10.1002/2017ja024284
Radio Science
Volume: 51 Issue: 12 Pages: 1905-1922
10.1002/2016rs006095