Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
オートファジーは細胞内の分解システムであり、タンパク質、核酸、多糖、脂質などが大規模に分解される。研究代表者は、オートファジーによるRNA分解は液胞/リソソームに局在するRNaseであるT2型RNaseが関与することを明らかにしてきた。この酵素に変異が生じると、酵母では未消化のRNAが液胞/リソソーム内に高度に蓄積すること、ヒトの脳においてリソソーム病に類似した症状を示すことがわかっている。そこで、オートファジーによるRNA分解機構について、生化学と生理学的の両面から解析を進めてきた。まず酵母のT2型エンドヌクレアーゼ, Rny1に着目し、単離液胞や精製Rny1を用いたin vitro RNA分解系を確立させ、Rny1の基質特異性、酵素の活性化・阻害機構等の生化学的特性を調べた。Rny1の活性には、1価のカチオンが必要であるがMgはRNase活性に必須ではないこと、亜鉛イオンや銅イオンが阻害的に働くことを見出した。また、予想に反して中性pH付近で最も活性が高いこと、またRny1内のジスルフィド結合が機能に重要であることも明らかにした。次に酵母での解析結果を基盤としRny1のホモログであるRNaseT2を欠失したゼブラフィッシュ個体を作製し、表現型解析を進めた。酵母では液胞内にDNaseの存在はこれまで確認されていないが、ミトコンドリアDNAなどの分解のためにDNaseが存在する可能性がある。オートファジーによるDNA分解について、DNA分解の責任酵素の同定と活性評価系の確立を試みた。
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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