Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
標的細胞選択的にエピジェネティクス関連酵素の働きを制御する実験手法を開発するため,ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤として知られるSAHA(ボリノスタット)を修飾して,標的細胞選択的にその阻害活性を制御できる分子を設計・合成し,その化学系性質を検証した。光分解性保護基であるBhc基で修飾した Bhc-SAHA とPLE作動性が期待される MCPCM-Bhc-SAHA の合成を行った。精製PLEやPLE発現細胞溶解液との反応では、MCPCM-Bhc-SAHAの酵素分解性保護基が脱保護されることを確認した。405 nm光を照射すると、 Bhc-SAHAからSAHAが生成すること、一方,MCPCM-Bhc-SAHAは光分解が生じないことを確かめた。HeLa細胞核抽出液を用いてHDAC阻害作用の残存活性を評価したところ, Bhc-SAHAおよびMCPCM-Bhc-SAHAの阻害活性はSAHAの1/1000程度に低下していることを確認した。さらに Bhc-SAHAを用いると、405 nm光照射時間依存的にHDACの阻害作用が増加することが確認された。HEK293T細胞の内在性HDACの阻害効果を生細胞を用いて評価した。その結果,Bhc-SAHA存在下では核抽出液の結果と同様に、405 nm光照射を行うことでHDACの阻害効果の回復が確認できた。MCPCM-Bhc-SAHAでは、PLE発現細胞かつ光照射有りの条件下で強力なHDAC阻害作用が見られた。標的細胞選択性を付与する酵素/基質ペアを探索することで,内在性酵素による影響を最小限に抑える組合せを見出すことも可能と考えられる。さらに,互いに直交的にはたらく酵素/基質ペアを用意して,同一細胞内で複数のシグナル分子を独立に操作する多因子制御への展開の道を拓く研究成果が得られたと考えている。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (1 results) Presentation (19 results) (of which Int'l Joint Research: 5 results, Invited: 3 results) Remarks (1 results)
生体の科学
Volume: 68 Issue: 5 Pages: 502-503
10.11477/mf.2425200715
http://www.lab.toho-u.ac.jp/sci/biomol/tfuruta-lab/