Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
我々は先行研究(Lin et al. J Biol Chem 2009)及び、in silicoによる網羅的な解析から、BMP下流の転写因子Smad1をmiR-199a標的候補因子として同定した。Smad1は、ニューロン分化抑制に働く転写因子Hes, Idなどの発現を促進すること、さらに転写共役因子p300と複合体を形成し、アストロサイト分化促進的に働くことが報告されている。そこで、Smad1が実際にmiR-199aの標的因子と成り得るかについて、ルシフェラーゼアッセイにより検証したところ、miR-199aはSmad1-mRNAの翻訳を抑制することが明らかとなった。また、MeCP2欠損マウス胎仔脳でのSmad1の発現量をウエスタンブロッティングにより解析した結果、MeCP2欠損マウス胎仔脳ではSmad1タンパク質の発現量が増加していることを見出した。さらに、miR-199a欠損神経幹細胞の分化傾向を免疫染色により調べたところ、MeCP2欠損神経幹細胞と同様にニューロンへの分化が減少し、アストロサイトへの分化が促進していることが明らかとなった。これまでの結果により、MeCP2の下流標的因子であるmiR-199aはSmad1を標的にすることで神経幹細胞の分化を制御していることが明らかとなった。また、MeCP2 による miR-199aの生合成調節の破綻に起因する、神経幹細胞のニューロン-アストロサイトへの分化不均衡及び、増加した異常なアストロサイトがRTT病態発症の原因になり得る可能性が示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2016
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)
The Journal of Biological Chemistry
Volume: 291 Issue: 26 Pages: 13891-13904
10.1074/jbc.m115.705749
120005946812